感応論 第二の巻   テツシン貴尊講義   鏡心の巻その一

感応論   第二巻   鏡心法    続き    テツシン貴尊講述 2020.12.03            心魂の鏡 汝等は唯鏡と云へば霊にのみ輝くと思ふならんもそは然らず。魂魄共に輝きあることを知るべきなり。例へば田毎の月の如く、魂の田にも、魄の田にも月は映る如しと知るべし。又大小に見ゆる眼鏡の球の如くに考ふるも可なり。魂に映るは大なれど漠然たり。魄に映るは明瞭なれど形小なり。故にこの大小…

感応論 第二の巻   テツシン貴尊講義   鏡心の巻その一

感応論   第二巻   鏡心法    続き    テツシン貴尊講述 2020.12.03  余事は別として心魂一如の考へは表面にして迷ひ多く、意魄一如は深けれども誤多し。小才の人は心魂のみを働かせ、思慮深き人は魄意を働かすなり。徹底せる智慧者ならでは心意魂魄一如の働きをなし得るを得ずと知るべし。故に人間の精神状態は三段階になり居ると知らば可なり。  第一には表面なる魂心、第二には中段に魄意、第三…

感応論 第二の巻   テツシン貴尊講義   鏡心の巻その一

感応論   第二巻   鏡心法    続き    テツシン貴尊講述 2020.12.02 又友人と別れしは悲しみより寂しさの方勝るは、心よりも意に徴する関係と知るべし。子に別れし親心、孫を失いし翁嫗の心について観察すれば、心魂魄の区分きはめて明瞭すべし。又是に対する気光素の働かせ方も従って悟ることを得るならんと思ふなり。  子を失いし親の心意は即ち心は魂に銘じて動揺し、意も亦魄に徹して動ず。故に…

感応論 第二の巻   テツシン貴尊講義   鏡心の巻その一

感応論第二巻  鏡心の巻    テツシン貴尊講義 2020.12.01  心は表面化し、意は内面化するはこの理に徴しても明らかならん。汝等の日常に平素働き居るは心なり。意は蔭にありて是を補佐す。されば心意は車の両輪の如し。又陰陽呂律の如く夫婦兄弟の如き関係ありと悟るべし。  汝等は祖父母に別れし経験ありや。又父母を失ひし経験ありや。又夫婦永遠に別れし経験ありや。朋友を死なせし悲みを味はひたる経験…

感応論 第二の巻   テツシン貴尊講義   鏡心の巻その一

感応論第二巻  鏡心の巻    テツシン貴尊講義 2020.12.01 汝等平素も魂魄は活躍し居るやの如く解釈なし居るならん。そは然らずして平素働きあるは即ち心意なり。この心意を魂魄と思ふが故に、魂魄の働きと心意の働きとの区分明白ならずして、為に修養の力を増大する事を得ざるなり。 抑々魂魄と心意については前にミキョウが語りたれど、我今是について少しく語るべし。汝等平常他と雑談しある時、魂魄は沈静…

感応論 第二の巻   テツシン貴尊講義   鏡心の巻その一

感応論第二巻  鏡心の巻    テツシン貴尊講義 2020.12.01  水も固まりては氷となりてさらさらと流れず、停滞す。鏡心は氷の如くにては活達自由を失して自在の行ひを得るあたはず。故に自由のうちに自由を求めざるべからず。さればすべてのものを、すべてに応用して一方に偏せざる底の修養を要するなり。学者は学に囚はるるなく、朝の洗面も食事も衣服に至る迄みな学問と心得ての修養せば真の学徳は現はるるな…

感応論 第二の巻   テツシン貴尊講義   鏡心の巻その一

  第二巻  感応論  鏡心の巻    テツシン貴尊講述 2020.11.30  我、本題に入るにあたりて多方面に渡りたる論説をなせしは何故かと云ふに、是には重要なる意味あるによりてなり。即ち無用の論旨と聞き洩らす莫れ。人の将に死なんとするにあたりて、本然の姿に返る事は汝等も聞き居るならん。即ち死に直面せざれば真の鏡心は得られざるなり。されば末期に至らざる間に是を悟り得る事に依て、生きたる真の喜…

感応論 第二の巻   テツシン貴尊講義   鏡心の巻その一

感応論第二巻  鏡心の巻    テツシン貴尊講義 2020.11.30  前巻に述べし「白銀も黄金も玉も生きてこそ、今死ぬる身に何のものかは」に対して、「世の中に宝を残しおかずとも、せめては残せ死する思いを」と云へるあり。人の為世の為、延いては子の為孫のためにと思ふは人の真心なり。己さへよくば他を顧みざる現在の思想は如何なる処より来りしや。即ち動物性よりと云ふならん。汝等動物性にてよしと考へて向…

感応論 第一の巻   テツシン貴尊講義   看破と測定

感応論 第一の巻  最終章   2020.11.29 「白金も黄金も玉もいきてこそ、今死ぬる身に何のものかは」とか云へるあり。此歌の如く考へて練磨すべし。汝等は生きんともがきて苦むなり。即ち猫共の考へ方をなして手柄功名 を焦りて猫の本分を忘れし如く、人間としての本分を忘れて鼠を補るあたはざるなり。虚心坦懐ならんとして得られず。却て騒擾混濁に終るなり。されば鼠を入れざる猫になれずともせめては鼠を易…

感応論 第一の巻   テツシン貴尊講義   看破と測定

感応論   看破測定の法の続き 2020.11.29  例へば未知の人ありて其人の精神を看破測定せんと計る時、もし汝等に於て善心を以てあたらば、其人は善と見え悪心を以て向はば悪人と見ゆれば、真の看破測定を計ることを得ず。故に人に接するには善悪の心をさりて、虚心坦懐以て是に処するを要するなり。是については前にも語りたる如く気光素は善悪の区別なく働く特性ありていずれにも通ずればなり。されば世の中の人…

感応論 第一の巻  看破と測定  テツシン貴尊講義

感応論 鶴の使者と亀の使者の例話の続き  我、慈音にアキレスと亀について説きたる事あり。後にこの鶴亀の論説によって感応の要点に重大関心を持つに至らん。是を慮ってこの例話をなしおきしなれば、空しく聞きのがすことなきょう注意しおくなり。一本の錐は数多の紙をさし貫く。されど太き鉄棒は是をなすことあたはず。看破測定は此理を応用して悟らざるべからず。真心は錐の如く、虚偽は鉄棒の如しと考ふべし。即ち鶴亀の使…

感応論 第一の巻   テツシン貴尊講義   看破と測定

2020.11.29 感応論 続き  汝等は云ふべし。我等の親ならんと。然にはあらじ。汝等の親は神の御力にして、汝等を養成する救主にして智慧の権化なり。即ち智慧とは気光素なり。気光素なるが故に善悪を通じて働きをなす。或時は善ともなり、又或時は悪ともなるなり。この智慧の用法に依って極楽も地獄も得らるるなればこそ、人は修養修行を必要とす。平心に依って心も穏かならしむれば心の動揺は無く、その身も共に全…

感応論 第一の巻   テツシン貴尊講義   看破と測定

感応論 看破と測定 続き   或人木登りの名人に極意を聞けば登るよりも下る事を考ふるなりと云ひたりと。汝等此理を悟り得るか。すべて物事は訳もなき所に真理のあるものぞかし。登らんとして唯上る事にのみ心奪はれて却て登るあたはずして顛落す。されば五丈の木に登らんとせば十丈と測定して登らば易々のぼる事を得べきなり。  是等も看破測定の法に合はん。すべて圧力と引力との平衡を欠く時は物事成功せざるなり。汝等…

感応論 第一の巻   テツシン貴尊講義   看破と測定

催眠術と読心術について  先づ一つの考へは汝等の無智無能を現はし、二の質問は迷ひの心を生ず。又三の質問は智慧を喚び起す結果となるなり。故に三を択ばば可なりと答ふるならん。そは何れも名答にはあらざるなり。何となればみな正しき質問にあらずと答ふれば可なり。斯る質問をなす者の智慧は乏しければなり。汝等は千里眼者に問はんと思ひて、彼が前に座せしとき言葉は口に出でざれども、汝が胸中には既に蓄へあるによって…

感応論 第一の巻  看破と測定  テツシン貴尊講義

2020.11.27 感応論   第一巻   看破と測定    テツシン貴尊口述  水は逆に流るるものにあらず。若し流るるとせば是は流るるにあらずして圧力なるべし。汝等の心にも水の圧力と同様の働かせかたをなしつつあるを以て、無用の心労に終ること多し。水の低きに流るるが如くあらずんばあるべからず。高きに圧登せしむるとも軈ては低きに返るべし。看破測定の秘訣此処に在り。看破せんと欲するは既に圧力を加へ…

感応論 第一の巻  看破と測定  テツシン貴尊講義

感応論    2020.11.26 第一の巻      看破と測定    テツシン貴尊講述 平心と鏡心を常に保持することを得ば、感応は全く道となるなり。又其のみならず平心鏡心ならば他と争ふ憂ひなし。のみならず他と融和の交はりをなすに至らば、人間界の幸福これに勝るものあらんや。されば汝等は汝等の心に合ふ法を工夫努力して、平心より鏡心へと一歩一歩進むべし。我は五手の法も可なりとす。又親に相談するも賛…

感応論 第一の巻   テツシン貴尊講義   感応の大要 五手の法について

2020.11.26 感応論 第一の巻   テツシン貴尊講義   感応の大要 五手の法について  円海は籠にて水を汲むを躊躇して、師に鞭打たれしと云ふにあらずや。ここに平心の大切なるあり。何となれば物事を速に行はば心は平となる。後に後にと思ひてなさざれば、なし遂ぐる迄は気にかかりて平心は保ち得ることを得ざればなり。二心は平心にあらず。汝等の常の心を見るに二心三心を働かせて居るを我は知る。斯る有様…

感応論 第一の巻   テツシン貴尊講義   感応の大要 五手の法について

2020.11.26 感応論 第一の巻   テツシン貴尊講義   感応の大要 五手の法について  汝等ミキョウより受けたる平心法及び鏡心法に於ける五手の法を修得するあたはずば、此法を用いずとも他に法を求むるも可なり。要は心をおちつけて物に動ぜざる底の法を工夫せば、平心の法は成就せられたるなり。常に沈着にしてさわがぬ心構への修養を完備せば足る。さりながら唯外部のみ沈着を装い、内心色を失する如き態度…

第一巻  未知日記  平心の巻  宇宙と自然  テツシン貴尊講義

2020.11.26 感応論 第一の巻   テツシン貴尊講義   感応の大要 五手の法について  ミキョウは是を汝等に教へたり。即ち肉体の刺激によりて心の動揺を感ずるを防がん為に、呼吸と脈を整へてその刺激を防止せんが為の方法を教へたるなり。又合掌低頭するは混濁せる心を沈静する方法にして願ひごとをなせよと云ふにはあらざるなり。又腹部にて手を組めとはおちつかぬ心の動揺を鎮圧するためなり。又膝に手をお…

感応論  第一の巻  平心の巻  宇宙と自然  テツシン貴尊講義

2020.11.25 感応論 第一の巻   テツシン貴尊講義   感応の大要  姿を水に映して我と我相対す。汝、彼にあらずして即ち汝なり。汝の声は山にあたりて汝の耳に返る。是又誰の声にあらずして汝の声なり。即ち汝を出で汝に返る。是感応の原理と云ふなり。若し水なくんば汝の姿もなく、山なくんば声も亦無からん。水ありてこそ山ありてこそ姿も見えたり。声も亦聞きたり。水に依りて我を感じ、山に依って我声を感…