2021年12月のブログ記事

  • 宇宙からの訪問者 NO35  小説   最終章

    「雄、お前は絶対に大学に行かなきゃ駄目だ。お前に俺の味わった苦しみを、もう二度と味あわせたくない。大学にかかる金の事は何とかする。これは親としての、最低限の義務の履行だ。どうか頼む、俺を悲しまさせないでくれ。  そう云いながら、父は僕の手を両手で握りしめた。そばで母もばあちゃんも一緒に涙を流してい... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO34  小説   最終章 第四  雄哉の奇跡

    「雄ちゃんのお陰で、こんなにうちの爺ちゃんが元気になった。もう何年も前から医者にも見放されておったんやから、本当に有難いことや」と感謝の言葉を頂いた。 僕自身もやっていて半信半疑だったけど、現実に人が治って行くのを見て、信じざるを得なかった。宇宙人との邂逅が僕の力、いや、人間が本来持っている力を覚... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO33  小説   最終章 第三  神詞  厳戒の辞を教えられる

     僕はその後、急に意識が朦朧とし、その場で気を失ってしまった。どうやって家に辿りついたか少しも覚えていない。気が付いた時には家の玄関先で母に揺り動かされていた。右手にはコーシン.リョウジャから貰った手紙をしっかりと握りしめていた。それは手紙というよりも電子媒体で書かれたDVDのようなものだった。 ... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO32  小説  最終章 第二  厳戒の辞

     この辞の中には仏教の念仏、題目はもとより修験者が行う九字の秘法なども蓄在されている。この言葉には種々際もなき尊敬とか感謝とかとの意味も含まれ、且つ神を呼び求める意味などの意味も含まれある言葉にして、無量辞とも云うべき言葉なんだよ。僕が君に簡単に伝授するものだから、君はそれを当たり前のように聞き流... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO31  小説    正確な地球の創生年月は如何に・・・・・・

     雄哉君、ここまで僕の話を聞いていて、おかしな宇宙人だなと思わなかったかい。仙人の生活を縷々説明したかと思へば、更には天使の事にまで言及する。でも、君達の世界が今少し進歩すれば、僕の言うこともやがて素直に聞けるようになると思う。 この地球の学者は現在の科学を万能に思っているらしいけど、君達の住む僅... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO30  小説 今、天界で働いておられる円海翁について

     雄哉君、君は信じないかもしれないけれど、彼等行者はすべて長命だ。百五十歳から二百歳は普通で、中には四百歳、たまには五百歳の長命を保った人も、古今に何人か居られた。僕が先に江戸時代に知り合った、仇討の旅を続けた人こそが、この円海翁なんだ。彼は昭和二十三年迄、この大峰の山中に住まわれていた。その時の... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO29  小説 円海翁の最終行、天界への昇天

    役行者像     「我、彼の法力を見るに決して優れたるにあらず。寧ろ汝等の業は優れたり。しかるに効果の点に至っては到底汝等の及ばざるところ。これはきっと彼の天分のしからしむる所と思っていた。しかし、今漸く我も合点がいった。即ち、彼はすべてを活かして用いおるなり。言葉も呪文も活かして用いおるなり。汝... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO28  小説 泰岳大師の修行中の奇跡

     又ある場合、泰岳大師が警蹕(けいひつ)といって大きな叫び声を出すと、人は勿論のこと、熊なども気絶させる力を持っていた。ある事情があって仏像の真贋を確かめるために仏像を警蹕で粉砕したこともあった。僕はこの泰岳師が人に会う方法、別名招魂の法を弟子達に伝授しているのを見たことがある。それはどんな法かと... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO27  小説 円海大師が残された書物「喜心録」続き

     円海翁の師は続けて曰く、「汝等は難行苦行と思うによって行は進まざるなり。泰学の如く、喜び勇んで行ずるならば、難行苦行も消滅して苦痛を感ずるものにあらず。石上に端座して、頭腹一体の法を求むるは是安楽の法にして、苦患の法にあらず。楽しみを得んが為の苦しみは是、苦しみにあらず。汝等よくよく心せよ」とし... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO26  小説 円海大師が残された書物「喜心録」

     行者だって鞭を当てられれば生身の肉体を持っているんだから痛みは同じ。しかし見込みがあるから、師も又容赦しない。鞭を当てられないということは、行者としての見込みがないと見なされるのだ。早くここを去って還俗の道を選べと云うことなんだよ。それほど行者達の修行は炎熱よりも尚熱いということなんだ。  彼等... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO25  小説 行者道、円海大師の足跡

     雄哉君、この山岳信仰というのは、日本では大峰山が一番有名だね。修験道の開祖と云われる人は平安時代に生を享けた人で、少年時代に出家した役行者(小角)と云われる人だ。後世、歴史上有名な西行法師もまたこの山岳宗教に挑戦されたみたいだ。  さあ、入門を許された男にどんな試験が待ち構えているかというと、ま... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO24  小説 日本の仙人について

      雄哉君は日本の仙人についてなにか知っていることはあるかい。日本で有名な仙人の名は役行者、又の名は役小角と呼ばれ、神変大菩薩として一般大衆より厚く尊崇され伝説化された人ぐらいだろうね。僕達宇宙人と呼ばれている者は、この地球世界とも古くから地球人類と交信してきたんだ。その相手とは君達が仙人と呼んで... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO23  小説 神ほど穏和で温かいものはない

     これも我等の長老から聞いた話だけれど、その二流界の世界に美しい鳥がいて、とても優雅に空を飛翔しているそうだ。長老は天使の方に思わず尋ねた。 「あれは極楽鳥と呼ばれる鳥なのですか」と すると天使の方が答えた「あれは汝等が世界の蜂が、この世界迄登りつめて進化なし遂げた姿だ。蜂も人類同様、幾億年の時間... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO22  小説 二流界の世界の葬儀とは

     赤子は二流界では男女の肉体の交わりではなく、男性の持つ陽霊と女性の持つ陰霊がこの空海に人類を現出させる不思議な場所だ。霊気の交わりで人類が作られる。こんな話はこの地球界では誰も信用しないだろうな。でもこれは真実の話だ。子供の間は裸体でいるけど、 成人後は其々男界、女界に移され、職衣をまとう。その... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO21  小説 天界の設計図そして人類の階梯

     全宇宙に住む人類の置かれている階梯を大きく分けると十三段階にわけることが出来る。更にそれを其々上.中.下の三段階に分ける。そしてこの地球は現在十流界の中部に属している、僕達の星の位置は八流界の下部に相当する。ほら君達の星にクロロマニヨンという種族が生息していた時代、ざっと今から数万年前の世界を十... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO20  小説 ある星の奇形児の話

     君は今迄の僕の話を聞いて不思議と思うかもしれないけれど、現に僕達の世界で生まれた子供達は、お母さんのお腹におる時から、自分が何故この世界で生まれてきたのか、その由来曲直のすべてを知っているんだ。ということは、その子供達が前世でどのような生活をし、何を目的として、人生を過ごしてきたのか、そのすべて... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO19  小説  地球の未来

     僕の星には君達の世界にはいない不思議な動物がいる。その動物の名前はクゥワオという。はっきり言って君達人類よりずっと知能は高い。複雑な機械を作ったり、機械の操縦はお手のものだ。計算や文章を書いたりするのも簡単にやってのける。言語も多国籍の言葉を話すし、空を飛ぶ翼も持っている。又、水中もイルカのよう... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO18  小説 僕達の星の動物達の生態

     地球人種の大方は、明日のパンを得るために労働に勤しんでいる。おそらく全部が全部愉快な仕事ではなさそうだ。その点、僕等には生活苦というものがない。だから各個人はそれぞれ芸術の創作に励んだり、己の魂の発見、そしてその錬成の為の時間を積極的に確保している。その結果、科学上の発明、発見などが盛んに行われ... 続きをみる

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  • 宇宙からの訪問者 NO17  小説 僕達の星の夫婦の関係

     地球に於いて、世界の人類は、「人間の幸福は男女の享楽にあり」などと公言して憚らないところがあるけれど、そこのところは僕達と大分相違があるみたいだ。僕達の星では離婚する人も再婚する人もいない。この地球では夫婦の性格の不一致とか、相手の浮気とか、色々の理由をつけて離婚しているみたいだけど、僕達の世界... 続きをみる

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