未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 ここに注意しをくことあり。心意魂魄は位置を有す。位置を有するが故に時間空間あり。されど霊には位置を有せず。故に時間空間はあらざるによって絶対不変なりと屡々語りたる如くなり。汝等よくよく考慮し見よ。一度死すれば再び死せじと絶叫…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 小なる蟻蜂は人智に比して優れたる本能を有し、大なる象は人智に遠く及ばざる本能を有す。されど人の力は象に及ばじ。斯る本能を其々の物の個性に応じて与へたる神は、何の目的ありてなるかをよくよく観察して天理の如何に広大無辺なるかを研…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 人を導きて信仰に入らしむる方法には種々なる道あれども、是を大別せば順応信仰と恐怖信仰の二つに帰せしむる事を得るなり。順応信仰とは我が語る法則にして、恐怖信仰とは宗教者の説く論説の信仰なり。されば宗教者はあまりに神を恐しきもの…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 とにかく此装束を完全に着用するを得ば、始めて真の人間の本分は尽されたるなり。仏教者は是を仏と云ひ菩薩如来と様々むづかしき言葉を用い居れり。されど我に云はしむれば、是にて人の樹は実を結びたるなりと云ふにすぎざるべし。 情の肌…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 明日よりは否々今よりは汝等は智者なり。徳者なるべし。霊光の冠を戴き、足には自由の沓を下さる。さらば自由の沓とは如何なるを云ふか。汝等の思ふ自由とは己自ら欲するがままの行動をなすを自由と考へ居てはあやまりにして、そは我儘気儘と…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 感謝する心は信仰の現はれなり。仏を有難しと感ずるは信心のあらはれなり。神を忝なしと尊ぶは信念に属し、すべて宇宙或は全宇宙の徳より生ずる事柄に対して一切を、勿体なしとの感化に移さるれば是を正しき信仰者として我等は愛するなりと知…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 正しき信仰を求めんとならば先づ信心、或は信念を養成せざれば信仰を理解しあたはざるべし。即ち信心信念は信仰に入るの門なればなり。汝等の信心と云ふは神を祀り、仏に帰依するを信心と誤認し居るは多し。信心と信仰との区別判然せざるも是…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 さて次には信仰の帯、迷ひ迷はさるる事なき永久不変の信仰の帯をかたく結ばざるべからず。信仰の帯とは如何なる事を指すか。即ち情(なさけ)、愛、慈悲を結びとむるは信仰と云ふ帯によらざれば完全なる姿とはならざるなり。我、見るところに…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 もとより親子の愛は愛なれども帰するところは肉親の関係より生じたる愛にして大愛とは云ひ難し。即ち動物性愛なれば余儀なき愛と見るべき理も含まるるなり。是等は動物性本能愛にして、謂はば愛の種子とも云ひ得らる。然るに他の動物はこの種…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 先づ肌着の情(なさけ)について考へをめぐらし見よ。汝等の情は情に似て情にあらざる事に気づくならん。何となれば汝等の情は帰するところ自己中心より出でたる情なればなり。我の語るは自もなく又他も無き情を教ゆるにて、情に区別を与ふる…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 其は別として全宇宙及び宇宙にありて、すべては動じて須臾(しゅゆ)も休止しあらざることは汝等も既に学びたる故に全宇宙は間断なく音響を発し居ることも亦知れるならん。是等を総合して考察せば智の衣は音なりとも考へ得らる。音は即ち言葉…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 あやまって再び下界に墜さるること勿れ。かりそめにも下界に未練を残すべからず。さりながら下界の友を救ひて無位の世界に導く願ひは忘るること勿れ。是は今後汝等に架せられたる任務なればなり。汝等の地球に於て名誉の頌徳(しょうとく)は…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 汝等はこの事柄を理解して我に面を向くることに努むべし。然して神徳を深めよ。霊光の衣を身に纏いて後大なる活眼を開らきて、下界を見直せば従来行ひ来りたる事柄の如何に誤謬(あやまち)多かりしことに気づくならんと同時に、今後のなすべ…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 動物の臭気は失せたるか。よく洗ひ、よく薫じて無垢無臭となり来れ。垢とは何なるか、即ち人界をはなれて尚残る執着と未練なり。潔く明らめ棄つるは洗濯なり。臭気とは何なるか。即ち心の迷ひなり。是を薫ずる銘香は、信仰より受くる霊香なら…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 汝等が心を脅すものは生死にあらずして不安なるべし。この不安は帰するところ境遇ならん。美はしき詩歌を聞きては情熱を感じ、或は哀愁を覚ゆるは迷ひなるべし。不安なるべし。美しき詩歌は汝の心に突つけたる鋭利なる刃に等し。又甘き蜜の如…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 汝等の肉体には喜怒哀楽ありて日々精神状態に変化を来す。この理はテッシン等が教へたる如く、人体は地球と同様に組織されありて恰も気圧の変化によりて雲を起し、風を吹かせ、雨をもたらすと同様なれば精神の変化は如何に修養すとも肉体の有…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 もし慈音が肉体健全にして肉眼開らけ居たらんには信仰は得られず、又神より遠ざかり居て、今日の恩恵を得ることは得ざりしならん。彼の虚弱は彼のためには不幸にてはあらざるなり。病める者よ。来りて慈音の友となるべし。肉体を棄てたる汝等…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 気を洗はんとならば気を以てせざるべからず。その気とは何ぞやと云ふに悪き心は善を以てしては唯争闘となりて容易に脱落せざるにより、悪は悪にて洗ひ、邪は邪にて洗ふを要す。かくなして悪は脱落して善と変じ。邪は失せて正に化す。汝等は悪…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 汝等汚れたる動物性の衣を脱ぎたり。我、今日新しき人間性の衣を纏はしめんとす。此衣は夏暑からず。冬寒からじ。洗ふに従って光沢は増し破損の憂更になし。汝等この衣を着用するにあたって先づ身体の垢をおとして清浄ならしめよ。然らずば動…
未知日記 第六巻 光明論 下巻 光明論 巻の十 完結篇 教主寛大 講義 一日を過したる汝、一年を暮したる汝、一生を送りたる汝、何れの点に相違あるか。静に考へ見よ。すべて汝等人界に籍を置くものにあらずとして考案工夫し見よ。苦か、はた楽か。然して去年一年労苦して迎へられたる元旦と、一生を過して遺骸を…