未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 108 セイキョウ貴尊 講述 然るに世人の転界は、一方は進ませ一方はおろそかになす歩みを続くる結果、身心の平均を欠くによって足並みは揃はず。故に平衡を欠きて安からぬ転界をなしつつあることに心せざるべからず。例へば世人の歩む道は先輩者によって作られある大道あるに不拘、何とかして近道を歩…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 107 セイキョウ貴尊 講述 キリストも釈迦も一法を以て導かんとなしたるに不拘、弟子達はその大意を悟らず、とやかくと道を造りたるため却てその一法すら傷けたるにてはあらざるか。是にはその時節の変化によりて、新らしき道を作りて今日に至りたるため、旧道は却てすたれ行く傾向のあるは是非もなき…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 106 セイキョウ貴尊 講述 世人の信仰とは所謂門前の信仰に終りをるなり。門前にて内の様子を見るとも甲斐なし。門内に入りて更に奧深く進み行くにあらざれば、その家の広大さを知ることは難からん。世人の信仰はいとぐちだけの信仰にて、生涯を過ごし居るが為正しき転界は得られざるなり。門前信仰い…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 105 セイキョウ貴尊 講述 神は人を造り給ひて何を求めんとなし給ふや。謂はずもがなそれは肉体にあらずして目的は魂にあるならん。その魂に智慧の肥料を与へて優秀なるものを作り、育てて更に階を転ぜしめて、種々様々の任務をなさしめんとの思し召しなるべし。魂に与へられたる智慧を以て宇宙の大自…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 104 セイキョウ貴尊 講述 転界とは肉体亡びての後にあらず。肉体有る間に転界なしおかずば、肉体亡びての後は種々様々の階を通過せずばなすこと難きが故に、肉体を有する間に早く転界なしをくの要はあるなり。彼の愚者と云はれし泰岳の如きは是なり。彼は肉体を有する間に、転界なし居りしため今はミ…
今日は4年ぶりに当市の伝統行事である左義長祭が開催された。昨日は好天に恵まれ行き交う人波も尋常でなく、大変な人混みだった。先ほど市長さんが部下に命じて我家の前で店を張っているたい焼き店でたい焼きを買い求めていた。年配者よりも今年は俄然若い人が多い印象だ。たまに外国人の方も祭太鼓を魅入っていた。本町通りを端から端まで妻とよぼよぼ歩き、後町通りに行けばばそこは露天商の姿はなくとても閑散としてい…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 103 セイキョウ貴尊 講述 汝等は目標を定めて然して後にあらざれば、その処に行かんとはなさざるが故に迷ふなり。されば神と云ふものの存在することを認識して、その神は遠からず又近からずとの念を強うし、我は如何にかして神の前に至らんとの思ひを強くし居らば、其にて目標定まりたるなり。斯くし…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 102 セイキョウ貴尊 講述 されば真の神を知るには学理ならざる或一種の方面より、考へを廻らして考究せば、却て大自然の根源を正しく認識することを得て、正しき神を知ることを得る道とならん。斯く語らば世人は又も云ふならん。そは他ならず。我等が先に語りたる神の有無は知る由もなし。よって汝等…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 101 セイキョウ貴尊 講述 よく我等聞く処なるが、彼は善人なるが故に来世は良き所に生るるならんと語り居るを聞く。されど是等は千日の萱(かや)の其の如し。たとえ悪人と雖も一旦改悟して神仏を知るに至らば、彼は忽ち転界することを得るなり。我かく語らば汝等は地球に生存する間、悪事をなし居り…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 100 セイキョウ貴尊 講述 汝等は大なる厳石をわづかの火薬にて粉砕したるを見て、驚異の眼を見はる。されど其は実間の愕きにて、空間の驚きにはあらざるべし。智識すぐれたるものならばかかることに対して、空間より聯想して考察する時、何等取るに足らざる破壊にて毫も驚きとはならざるべし。もし天…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 99 セイキョウ貴尊 講述 一滴の水は汝の衣服をぬらす。是が火に乾かしてもとに復す。されど一滴の劇薬は汝の衣服を破損せしむるにてはあらざるか。一滴の水は衣服の垢ををとし、一滴の劇薬は衣服を破損す。是等の理より何か大なる発見することはあらざるか。我等は学者にあらず。されば多くを語らじ。…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 98 セイキョウ貴尊 講述 汝等は人生るれば必ず死すと考へ居れど事実は然らず。もし汝等の世界の科学が頂点に達して進むならば、永久死せざるものを造り出すことは至難にあらざるべし。万年億年生きるとも、肉体にも変化なく溌剌として、元気旺盛に生存なさしむることを得るならんとは考へざるか。例へ…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 96 セイキョウ貴尊 講述 太陽と地球は密接なる関係にて互に廻転なし居る如く見ゆれど、その自然は建設自然にあらずして、破壊自然に属し居ることに心附かざるや。圧力引力は是即ち争闘にして融和にあらず。故に汝等の肉体と心は引力圧力によって摩擦を生じ、為に日々安からぬ日を送り居るなり。もし是…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 96 セイキョウ貴尊 講述 地球と太陽の関係は何十億年かの星霜を重ねて、今尚同じ事を繰り返へしつつあるにてはあらざるか。世人は同じ事を繰り返へし居らばはてしなく太陽と地球の如く、同じ経路を辿るの他なかるべし。斯ることにては何日かは安楽の境地に達することを得んや。自然を曲解して歩みを進…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 94 セイキョウ貴尊 講述 例へば一つのことを発見して是を完成せしむる迄には、幾回かの失敗を重ねて後にあらざれば成功し難かるべし。されど一度成功したる人の教へを受けて、其に依って事をなさば苦まずして忽ち成功す。これ自然なり。先に苦みし人はその自然の理を明らかに認識なし居らざるが故に、…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 94 セイキョウ貴尊 講述 1 徒らに一生を無意義に過しなば、結果は無意義に終る。されば自然は余りに範囲広くして、我に望なくんば行くがまま際限無くさまよふ他なし。転界せんとなすとも転界するを好まずと雖も、自然は唯自然に順じてその居を得せしむ。故に目的を定めてその定めたる目的に順じて方向…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 93 セイキョウ貴尊 講述 死を明らめんとせば生を正しく明らめよ。然らずば生死は正しく認識すること難しとの教へも、従って頷き知ることを得ん。生死を正しく明らめたるものにあらざれば、転界することは至難なり。たとえ転界すとも浮住界にて迷ふ如き転界ならば其は無益のことなり。我等は世人をして…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 92 セイキョウ貴尊 講述 されば死とは如何なるものかと云ふことの明らめを正しく知るものにあらざれば、魂の緒の切れざる間は浮住界にすら到ること難し。世の中の幽霊伝説などはその大抵は魂の緒の完全に切断せられざるものに多し。子の愛に惹かされて死したる母は、その子と云ふ生存者に己が魂の緒の…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 91 セイキョウ貴尊 講述 世人の中には智慧優れたる者あれど、すべての智慧者は己が才能に誇りて他を軽んずる結果、世を虐げ己のみ向上せんとはかるによって、却てその智慧が禍をなすなり。智慧に誇るは即ち慢心なり。如何に智慧すぐるるとも慢ずることをなさざる用心肝要なるべし。然してその智慧を拡…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 90 セイキョウ貴尊 講述 世人の世界は大臣と農夫の生活に於て相違あり。大臣は美服をまとひ従者を従へ大道を巡視なし傲然として権威をふるい、農夫は粗服を纏ひて泥まみれとなりて働く。斯る生活を営むによって国は乱るるなり。九流界には斯る差別はあらず。泥まみれになりて働く農夫も、国権を握る大…