未知日記霊話集千六百七十一回  帰途案内記 NO91 未来は極楽浄土に移さるるとか、或は天国に上るとかをおぼろげに信じて、本心より悟り居らざる人の一旦不慮の災害にて息絶ゆれば、是等も魂の緒は完全に切れずして残るが故に、国土をさまよふ結果となるもの尠なからずあるなり セイキョウ貴尊講義

未知日記 第十巻 帰途案内記       
巻の二
転界の巻 
NO 91
セイキョウ貴尊 講述

                    
 世人の中には智慧優れたる者あれど、すべての智慧者は己が才能に誇りて他を軽んずる結果、世を虐げ己のみ向上せんとはかるによって、却てその智慧が禍をなすなり。智慧に誇るは即ち慢心なり。如何に智慧すぐるるとも慢ずることをなさざる用心肝要なるべし。然してその智慧を拡大して一歩々々世を益しつつ進むにあらざれば、十流界も九流界とはならざるべし。わづか一人のクラアズにて一界を向上せしめたる例に徴しても明白なる如く、世人の世界にても同様に進歩発達は得らるる道理あらん。己のみ向上して他を虐ぐる如きはこれ正しき智慧者のなさざる所、深く反省するに不如。いささか枝葉にわたりて宗教者めきたることを語りたり。もとに復すべし。
 転界の事に就いては余りにその様の広きが故に、一朝一夕に述べ尽すことは難し。されど是は大別すれば四種の関係によって明らむることを得るなり。即ち上界或は他界を認識して来るもの、次には滅後を考へずして、唯死するとのみ知り居るもの、更に魂の緒切れて余儀なく浮住界に移さるるもの、然して死したる事を知らずして国土にさまよひ居るものの、四種に区分する事を得るなり。死たる事を知らずして国土に迷ふ者の多くは執念を残して、魂の緒完全に切れざる者に多し。是等の類には種々様々の死にかたあり。不慮の災害等にて死したるものは執着を残さずと雖も、魂の緒は完全に切れずして、そのまま国土に迷ひ居る類もあり。宗教を信ずる者の中にも斯くの如き人は多し。未来は極楽浄土に移さるるとか、或は天国に上るとかをおぼろげに信じて、本心より悟り居らざる人の一旦不慮の災害にて息絶ゆれば、是等も魂の緒は完全に切れずして残るが故に、国土をさまよふ結果となるもの尠なからずあるなり。

×

非ログインユーザーとして返信する