未知日記霊話集千六百七十六回  帰途案内記 NO96 太陽と地球の如く肉体と心の関係のみに囚はれ居りては、軈ては亡び亡ぶるの他なかるべし。我等現今の世相を見るにすべては此枝葉に相当する自然を、真実の自然として空間自然に遠ざかり居るが故に、世の中は混乱して治まらざるなり セイキョウ貴尊講義

未知日記 第十巻 帰途案内記       
巻の二
転界の巻 
NO 96
セイキョウ貴尊 講述

                    
 地球と太陽の関係は何十億年かの星霜を重ねて、今尚同じ事を繰り返へしつつあるにてはあらざるか。世人は同じ事を繰り返へし居らばはてしなく太陽と地球の如く、同じ経路を辿るの他なかるべし。斯ることにては何日かは安楽の境地に達することを得んや。自然を曲解して歩みを進めなば、その自然のなわめに縛られて、自由は得られざる道理を考へなば、早くこのなわめを切断して正しき自然に順じて、不自由のなわめを解き去りて真の自由に入らざれば転界することは得難し。
 我、斯く語らば世人は「太陽と地球とは斯くも密接に結ばれあるは、これ自然の法則にしてこれを不自然に返へさば即ち分散して亡びん。然(しか)あらば太陽と地球は真の自然にして、その自然こそは永久不変のものならん。よって人も亦この両者の如くなる自然を応用せざれば正しき自然とは云ひ難し」と考ふるならん。人智の到らざる汝等には、大自然とは即ち太陽と地球の如き関係を、大自然の姿と認識なし居ることは我等よく知る。されど是は全宇宙の自然の一部の現はれにして所謂小自然に属し、大自然にはあらざるなり。この理は追々語るべし。
 世人の考へにては自然とは不変のものの如く考へ居るならん。然して世人の多くは実間的の自然に重点をおき、空間的自然を無視し居ること少なからず。故に正しき自然を知ることを得ざるなり。太陽と地球の関係は実間自然なるが故に時間空間位置を有し、為に始終の定めあるが故にその自然は永久ならず。軈ては破滅に終る。然しこれも自然より現はれたる自然にして完全なる自然とは云ひ難し。此論旨は世人には理解すること至難なるべし。されど此理を明らかに知ることを得ずば正しき大自然を会得することは困難なり。太陽と地球の関係は自然より作られたる自然にて所謂自然の枝葉にすぎざるなり。是を汝等の肉体につきて考へ見るべし。母体より生れたる汝等は自然の法則に従ひて成長し、又自然の法則に従ひて死滅す。所謂自然の枝葉なるが故に肉体の自然には限度あり。本末あるが故に始終あるなり。されど汝等の肉体に宿り居る魂は実間自然にあらずして、空間自然なるが故に、本末の区は定め難し。その本末も定め難き魂は肉体に宿り居る間、肉体と同化して本末あるが如く見ゆれど、事実は然らず。故に魂は空間自然にして、その枝葉に相当する自然は肉体に及び居るにすぎずと考へて、ここに一段の工夫なかるべからず。太陽と地球の如く肉体と心の関係のみに囚はれ居りては、軈ては亡び亡ぶるの他なかるべし。我等現今の世相を見るにすべては此枝葉に相当する自然を、真実の自然として空間自然に遠ざかり居るが故に、世の中は混乱して治まらざるなり。

×

非ログインユーザーとして返信する