未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 92 セイキョウ貴尊 講述 されば死とは如何なるものかと云ふことの明らめを正しく知るものにあらざれば、魂の緒の切れざる間は浮住界にすら到ること難し。世の中の幽霊伝説などはその大抵は魂の緒の完全に切断せられざるものに多し。子の愛に惹かされて死したる母は、その子と云ふ生存者に己が魂の緒の…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 91 セイキョウ貴尊 講述 世人の中には智慧優れたる者あれど、すべての智慧者は己が才能に誇りて他を軽んずる結果、世を虐げ己のみ向上せんとはかるによって、却てその智慧が禍をなすなり。智慧に誇るは即ち慢心なり。如何に智慧すぐるるとも慢ずることをなさざる用心肝要なるべし。然してその智慧を拡…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 90 セイキョウ貴尊 講述 世人の世界は大臣と農夫の生活に於て相違あり。大臣は美服をまとひ従者を従へ大道を巡視なし傲然として権威をふるい、農夫は粗服を纏ひて泥まみれとなりて働く。斯る生活を営むによって国は乱るるなり。九流界には斯る差別はあらず。泥まみれになりて働く農夫も、国権を握る大…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 89 セイキョウ貴尊 講述 九流界と雖も形存在する以上、所謂相対的なるが故に、夫婦の関係はまぬがれざるなり。昼夜の関係なき所と雖も、即ち相対にして絶対にあらず。故に男女の必要に迫られて女は女としての使命に従ひ、男子は男子としての本分に従ひて、正しく生活をなすによって夫婦間の争闘など毫…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 88 セイキョウ貴尊 講述 二流界以下の界は数多ありて一様ならず。わけても九流界の如きは数多の界が、彼方此方にと散在なし居りてその悉くは、一定のものならざること云ふ迄もなし。慈音に見学させたる処はクゥワオの存在せる所を示めしたるにすぎず。他の九流界には斯る動物はあらざるなり。同じ九流…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 87 セイキョウ貴尊 講述 よく世人も云ふ如く魂魄この土に止まりてと云ふ言葉の如く、世人は死して他界せんとは思はず、この土に止まらんことを願ふによって、魂魄この土をはなれず、右往左往迷ひ居る魂は多し。故に世人と雖も修養修行の力勝りて、心のまなこ開らかるるならば、地上をうろつきまわる魂…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 86 セイキョウ貴尊 講述 もとよりこの話は作り話にて小児だましの話にすぎざれど霊界の方面より説明することは至難にはあらざるなり。作者の意図は那辺にあるかは知る由もなけれど、心理学又は生理学より是を分析して語ることは、現今の学理にては到底及びもつかざるならん。されど我等に云はしむれば…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 85 セイキョウ貴尊 講述 世人は終生同じ処を廻転なし居りては安住の地は得られざるべし。これを平面信仰と云ふなり。平面なるが故に、輪縁を離れず廻転なしつつあるに過ぎざるなり。故に信仰は立体ならざるべからず。早く輪縁を離れて天界に上らんことを願ふべし。よつて注意なしをきたるなり。 今…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 84 セイキョウ貴尊 講述 一階上らば一階の定めあり。階を重ねる毎に移り変りの姿あるなり。その姿に応じて動ぜざるにあらざれば、転界なすとも迷ふは必然ならん。是を導く我等の使命は、この事柄を心に深く貯へて歩行を進むるにあらざれば、転落の憂目を見るが故に、いささか不動心の事を示めしをきた…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 83 セイキョウ貴尊 講述 ミキョウは慈音の友江橋に対して盤石不動心と云ふ題目を与へて、その極意を伝へんとして筆をとらしめ居るに不拘、彼は自我心をはたらかせ為に今尚さとることを得ずして迷ひ居るなり。修養修行とは即ち転界の法則をさとるにあらざれば、極意をきはむる事難し。ここにこそ転界の…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 82 セイキョウ貴尊 講述 世人はものを考ふるにあたっに、広き範囲にわたって考へんとはせず。一つの事柄を縮小して考ふる傾向あり。例へば我等慈音を通じて世人に語り居るを見て、慈音を特殊の人間なる如く範囲をせまくして考へ居る事を我は知る。されど我等は慈音のみに語り居るにあらず。幾千万人の…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 81 セイキョウ貴尊 講述 現今汝等の世界を観望するに、その悉くが大地を這ひまわる信仰者のみ多くして、空間に信仰をおく人稀なり。小さき地球に囚はれて天界の安きを知らざるは、地球に執着を感じ居るによってならん。地球は軈て亡ぶべし。 動物学上より推理するも明らかなる如く古代は大なる動物…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 80 セイキョウ貴尊 講述 汝等の信仰はあやまりたる考へを以て進み居るが故に、地上の引力に囚はれて空間を危ぶむが故に、天界の引力に対して導かれんとの考へを有せざるなり。故に汝等の信仰は地面を這ひ廻る蛇の如き信仰にて、空間に伸び行く事を好まざるが故に、伏鼠信仰或は雑種信仰となりて平面的…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 79 セイキョウ貴尊 講述 全宇宙を五大鏡に照らして見る時、汝等の世界を照らし居る太陽は、那辺にあるかすら見ることあたはざるにて、まして地球など何処に存在なすやすら見ること難し。全宇宙を五大鏡に見る時は、汝等の地球は一個の稗粟粒にも及ばざる微々たるものなり。汝等地球上より星を見て、是…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 78 セイキョウ貴尊 講述 第一の場合の如きは天界を知るによって、是は語る迄もなく、下界と天界を存命中より往復なす力具はりあるによって、是は問題とはならざるなり。第三の場合の如きはその種類きはめて広くして複雑且つ微妙なる関係あるなり。 信仰なきもののその悉くが、浮住界に於て迷ふかと…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 77 セイキョウ貴尊 講述 此所はきはめて複雑なるが故に、その一々を列挙して説明なし居らば、枚挙にいとまなし。故に省略して、霊によって運ばれ来りたるものの種類を、二三区分して説明することとせん。霊に依って運ばれ来りたるものの中にも、種々様々なるあるなり。智慧すぐれて下界に於て人道を無視して、その智慧のみによって世を攪乱し、人…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 75 セイキョウ貴尊 講述 今夜(昭和二四年八月二十二日の夜) 慈音は此様を見て戦慄したる如く、その数の無限大なるに驚異の眼をみはり、何故斯くも夥(おびただ)しき廃物の魂を作り給ふやと、我に質問なしたり。是等の魂は、動物魂もとより人類魂等凡て汝等の住める地球上のみならず、他界より集り来…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 74 セイキョウ貴尊 講述 又慈音が我に誘はれて如意界に至り、貴尊方の講話を聴聞なしつつありし時、彼の目前に黒き人影の如きもの坐し居りて眼をさへぎりしと語りしを聞きしならん。その黒きものは即ち未だ籾を脱がざる信者にて、是等は既に魂の緒の切れたるものの集合なし居るにて、彼等は軈てその殻…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 73 セイキョウ貴尊講義 <注意> yu- 皆さん、ここの箇所は本書の中でも重要な箇所です。繰り返しご精読ください 斯く語らば世人は又も云ふならん。修養なくして浮住界に苦む時、霊に特殊の力備はりあるならば、何故その魂を霊は浄化せざるやとの理屈なるべし。斯る理屈論は我、答ふるの要なし。前…
未知日記 第十巻 帰途案内記 巻の二 転界の巻 NO 72 セイキョウ貴尊 講述 道理は斯くの如きものにて遠しと思ふことも事実は近く、近しと思ふことも事実は遠し。恰も望遠鏡を直接に見ると、反対に見るとの相違なりと知らば可ならん。さとりはむづかしく考ふればむづかしく、平易に考ふればきはめて易し。唯心の持ちかた修養の方法をあやまたざるやぅ智…