感応論   第三巻   放心の原理その2   テツシン貴尊講義  2020.12.08

感応論   第三巻   放心の原理その2   テツシン貴尊講義  2020.12.08


 汝等は我家に病人あるに不拘、止むなく旅行をする時は心を残して出達すると云ふにあらずや、此心を残すと云ふは言葉のはづみなるか、或は事実を指すなるかを我に答へよ。又妻は異郷にある夫の身に心をはせと云ふも文章のあやか、形容詞なるか。然にてはあらざるべし。そは即ち真なるべきなり。何となれば肉体の要求の束縛に縛られて自由を阻害せられつつありし心に於てすら斯くの如き行動をなす。然るに今や完全に養育されて自由を与えられたる心こそ、如何なる処に行くも帰るも、恣(ほしいまま)の行動をなし得る力を有すると考ふるも、敢て不思議とは思はざらん。然れども此法を修めんとせば、先ずこの原理を充分にきはめて後にあらざれば会得するは至難なり。唯漠然と悟りたるのみにては、却て危険を伴ふ怖れあれば法を知らんと急ぐべからず。汝等は何事も考へずして端座する時、必ず睡気が襲い来るならん。此睡魔に犯されつつ心地よく居ねむり居るを更に床をのべて眠り見よ。却て眼醒めて眠れざる経験あるならん。此理を知るや。是魂が一時休養なして魄は何等休養を望まざるに依てなり。魂は頭に在りてすべてを処理し、魄意は胎内にありてすべてを工夫す。されば胸に働き居るは魂心なることを知り、魄意は智慧の助手なることも亦うなずき知ることを得ん。然して此魂魄を接続せしむるは即ち脊髄なりと考へて差支なし。背後は陰にして顔胸は陽なり。陽は陰を補佐す。故に胸は面に現はせど背むくることはあらじ。背後に迫り来る者は注意せざるべからず。脊髄は大切なる身体の倉庫なりと考へて常に背後に気を配ること肝要なり。頭にて考へ胸にて思案し腹にて工夫せよなど称するもみな脊髄より受くる事を意味するなり。脊髄の大切なる事は今更蝶々する必要はあらざるも、是が魂魄を結ぶ役目を果す重要なる事には汝等心づかざりしならん。もとより心意魂魄の波動を自由に働らかしむる経路は脊髄によると雖も、此働かせかたをあやまてば悩みを生じ、或は病を生じ或は傷く等々の憂ひあるなり。人の将に死なんとする時、一度は必ず座せしめよ訴る事あべし。そは脊髄を表面化せしめて陰を陽にかへて、魂魄を脱出せしめんが為なることを知りおくべし。そは放心法の巻末に至れば必要となるを以てなり。汝等朝夕使用しつつある電話に依て、遠近を問はず自由に語らひ且つその要件を果しつつあるならん。又一般に聞せつつある放送の電動機あるを見ても知らるる如く、人間にも此設備ありと語らば、汝等は奇異の思ひをなして不審を抱くべけれど、決して不思議にはあらざるなり。

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