未知日記講話集   こだま会日誌  九十八回    五月十七日

こだま会日記 隠すより表るる  円海大師講話                                    坂本通博筆記


昔のよく言ふ言葉に、隠すより顕はるると言ふのがある。
隠そうとするから表はれる。
心にわだかまりなければ隠す事なし。
皆の家庭には隠さねばならぬ事が多すぎる。
開け放してどこを見られても恥ずかしくないと言ふ家庭はどこにもない。
之をなくす様に修行せよ。
隠して居る事は必ず表に現はれる。
神様に秘密はない。神はあけっぱなし。
皆の隅から隅まで見通して居られる。
隠すから自然に表はれて来る。
水の中の名玉でもいつかは掘り出されて出て来る。
知られたら困ると思ふから隠す。隠せば表はれる事は知れた事。
之が度重なるとつもりつもって汚物がたくさんたまる。
之を毎日積らない様にして居たらよい。
然し人間は動物性だから到底それは望めない。早くそんな事のない様に、日々時々刻々心を清め掃除する事。
人に言ってもらっては困ると言って人に話す。之が自然の心の掃除。
心のちりを掃き出すなり。
こうして悪事千里。うわさはすぐに広がる。善事は広がらないが悪は広がる。之は人の悪を喜ぶ傾向が人間にあるからである。
人の善事は語り、悪事はその場かぎりにする事。
人間に栄枯盛衰あるは、朝あり昼あり夜あると同じく、自然の順序にして神の罰にあらず。
自然から与えられた丈の恵を受けよ。それ以上の欲はいけない。欲心の為に家族をあやまたせ、罪をつくり、互いに反目す。神は人間を地上に作ったのだから、
それ丈の人間は育ててくれる。
その恵みを頂いて居ればよろしい。
皆は毎日二枚舌を使って居る。
之は修行したらすぐわかる。
嘘偽りを言ふ人はまことしやかに言ふ。
本当と思わせ様として言葉に力が入って来る。
然し話をしている時二つの影が出て来る。
一方にすーっと立つのはまことの言葉。
裏から影について良心が邪魔をして濁ってうつる故、うそはわかる。
わかってもああそうですかと言ってだまされた事にしてすます。(慈音は)
だが後になって自分から白状する事になって来る。
不安の根は皆自分がこしらへて行く。こだまと同じ、皆自分に出て自分に返る。
心はいつも美しくして居れば魂はきれいなもの。だから悪い事をすれば気がとがめる、恐怖心がおこる。
之等は善に対する悪。
良心と心との戦い。 良心の呵責 後の後悔。
欲心さへなければそんな憂いはない。
心を絶え間なくきれいに洗濯する事。心を清めるには良心の呵責にせめられない様に罪を起こさない様にする。
そうしているとたましひからの微妙な影から心眼がひらけて来る。
心と言ふ暗い影があるからたましひの光が肉体迄来ない。
之を吹き払っていつも晴々した美しい心になる事。
二枚舌を使っても何にもならぬ。
人にへつらう必要もない。唯まじわれば仲良くして居ればよい。
あの人に付き合って居れば損はなかろうと考へておべっかする様な欲心は捨てよ。
誰にでも交わって誰にも好かれる交はりこそ大事。
好き嫌いで心にかなわぬ人を遠ざけるは争を大きくする。
好き嫌いは波長の合う合はぬである。之を一致さすには気を計るなり。之は何時か話す。自分の心を清めて、先ず自分の心をきよめて皆と交はる

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