覚者慈音989 未知日記 第六巻 光明論  下巻 光明論 巻の七  霊の役目と其動作について  セイキョウ貴尊講義

覚者慈音989
未知日記 第六巻 光明論       
下巻 光明論 巻の七 
教主講、セイキョウ貴尊解説
悟道篇  下
霊の役目と其動作について


                セイキョウ貴尊 講述
                   2019.5.19


 或信仰厚き人、夢に天の使来りて汝明日此むかふの山の頂上に来れ。其処には平なる岩あるべし。其岩に座して待つべし。たとえ日没すとも山を下るべからずと。彼夢より醒めて命ぜられたる所に到りしに果して平なる岩ありしかば命ぜられし如く端座して待ち居たりしに、日も早西に傾く頃天より神の使下りて云ふよう、今此処に二人の女来りて汝を天界に案内せんと誘ふならん。されど一人は正しく一人は悪魔なり。元来この岩は魔の岩と称して、此岩に座するものは必らず悪魔の囚人となると云ひ伝へられ、真実も亦然るなり。されど信仰厚き汝なるによって、神は汝の心を試めさせ給ふなればよくよく心すべし。誤ちて魔界に陥る勿れと云ひて立ち去りたり。暫くありて二人の女、一人は南より一人は北より同時に彼の傍に来りて、「彦よ、我汝を天界に導かん、来れ」と其言葉も同時なりき。信者は智慧をしぼりて彼女達に質問の矢を放てど、彼女等は少しもためらはず然も答は同時なりき。信者、心に思ふよう、我は人間なれば天界の者には及ぶべくもなし。されば彼女等のなすが儘に任せんと思ひ定めて、彼女等にむかひて云ふよう。「我に智慧なくして汝等のうち何れに従ふべきかを知らず。されば汝等相計りて何れにもよし我を案内せよ。其迄は我言葉せず待つべし」とて、眼を閉ぢ丹田して一言をも発せざりき。稍暫時して彼が座せる岩はグラグラと振動し初めたれど彼は泰然自若たり。やがて振動は全く止みたる時、「彦よ、めざめよ、女は去りたり」と云ひければ信者は眼を開き見るに一人は静かに美はしき姿を見せて彼が前に立ち、一人は去りて見えざれば「何処に行きしゃ」ときけば、「汝が座せる岩の下に封じこめたれば安らかなる心にて妾(わらわ)に従ひ来るべし」とて、手を挙ぐれば白雲下りて信者と共に其雲に乗りて天空高く翔び去りたりと云ふ例話なり。
 此話は長編にして信者と二人の問答は実に興味深きものあれどここに省略す。又信者は天界に上りて様々の不可思議なる教へをうくるなどの珍談奇談あれどもここには語る要もなければ省略して講話の都合によりては貴尊は大悟録に於て語られるやも知れず。唯我の汝等に教へんとなす霊についての関係上必要あるによって例話として語りし迄なり。今是について説明をなすにあたり、汝等に注意することあり。そは他ならず。此話は唯一般のお伽噺として又汝等が思ふ神話伝説にもあらざるなり。是は九流界の教話なるを、我汝等に分り易く汝等のお伽噺の如く改めて語りしなれば、其心もて是を軽く聞き捨つることなきよう注意しをくなり。

×

非ログインユーザーとして返信する