覚者慈音83Ⅰ  光明論上巻 巻の三 109番  頭腹一体の理  教主寛大講義

覚者慈音83Ⅰ
未知日記 第六巻 光明論      
上巻 光明論 巻の三     
此書の眼目、此教への一大事を説く
  
                  教主寛大 講述
                  2019.2.14                     第109番


 金を拾ひて長者となりし人の話を聞きて我天分を忘却して、我も金を拾ひて富者にならんと終日足を棒にして、眼を皿にして探ね歩くとも疲労のみの利益に過ぎざるなり。斯る人は世に多し。故に運命の開拓などは行ひ得る道を知らざるも当然なり。汝等第三の鏡に浴したる者、斯る人に注意を与へて運命開拓の端緒を開きやるべし。人は努力によりて作り上げたる資産にあらざれば、真の幸運とは云ひ難し。拾ひし金にてすらすらと得たる宝は果して正しき幸運となるか、或は不運の結果となるかは、其の人の末期に至らずば判明せざれど、大概は結果に於て不運に化するものなり。汝等ぬれ手に粟の考へををこすこと勿れ。是こそ運命を阻害する基なればなり。何事も一心に努力していささかづつ進むべし。兎の如く昼寝の油断せば亀の努力に破られん。怠らず努力して使命を果さば其人こそ真の幸福者なり。一攫千金を得たりとも零点零の結果に終らば一睡の夢の如く水面の泡の如し。一度地に堕つれば気力ぬけて再び上るは甚だ困難なり。一歩々々大地をふみしめ転倒転落の危険を歩まず、正しき道を歩まば必ず達すべき地点に達するを得ること疑ひなし。人成功速なりとて其人の行為を模写すること勿れ。唯参考として聞きをくに止めよ。何となれば其人の行ひの如くなすとも、汝の智慧と其人の智慧に相違ありて模倣する時誤またば是を開拓する道を得ざる故なり。のろくとも遅るるとも憂うること勿れ。千金を得んと欲する者は先づ千金の失墜を予想せよとの諺を汝等も知る処なるに、汝等は得る事のみを予想して失敗を考へざる故に成功は困難に陥るなり。是平面自然の原理は相対なるに依り進むものは退くを予想せざるべからざる理由となるなり。されど立体自然は絶対なるによって進退一如なれば進むも退くも自由自在なるによって斯るあやまちある事なし。汝等運命の開拓を計らんと欲せば、先づ有限と無限の区別を明白にして、是を混同せしめざるよう用心して行はずば目的を果すこと能はずと知るべし。有限には平面自然の存在顕著なれば是を立体に変更して工夫すれば運命は開らかるべし。無限性人力にては如何ともなし難し。是は天の使命なるによりてなり。汝等此理は既に学びたる処なれば省略すべし。即ち肉体は有限性にて霊は無限性なればここに方法は生れるなり。肉体は変更するを得れども霊は如何ともなしがたし。魂魄は霊に従はずば智慧を得る能はず。肉体は魂魄の支配下にあるによりてなり。斯る有様をのみこまば魂魄は霊より受くる智慧を得て、肉体を知る心意を使用して是等に命じて、肉体との調和を計りて満足せしむることを得るなり。

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