未知日記霊話集 第千八十一回 光明論 下巻 巻の八 百二十の気光素は人間に与へられたるものなれども其備へすら働かさずして終るは多し。まして百四十四なるに於てをや。この百四十四の気光素を得んがために修養修行を必要とするなり。真の人間として神にあげらるる人となるには百二十の気光素を働かせて更に、二十四の気光素を増大せざれば赫々たる光明の世界は現出せざるべし

未知日記 第六巻 光明論       
下巻 光明論 巻の八 
教主講、テッシン貴尊解説
大悟篇  上
第一章 チッ の 門


               テッシン貴尊 講述
               

 一人善行をなすとも、他人は悪行をなして其は世間一般に通ずるなれば、我独り善行をなすとも何等甲斐なし等考へて、修養修行をなさざる者あり。斯る言葉を語らば何と考ふるや。我ならば其者に言ふべし。汝の住居は雨漏りはせざるかと。彼すると答へなば一枚の瓦を取り替へよと。彼せずと答へなば世の中に不善の人はあらざるべし。もし不善の人のみならば雨漏りて住むに堪えざらん。一枚の瓦は汝ならんと。人を見ば盗人と思へなど教ゆるを我は耳にす。然らば他より汝を見ば汝は盗人と思はるるならん。是を汝は道理なりとして甘んずるを得るか。もし世の中は斯る悪人の集合なりとせば、今日迄否今後と雖も社会は保たれざるべし。己一人位と思ひ、己一人だけと思ふ心は、己自分の身心を汚し曇らすによって光明の影又暗し。焉んぞ霊光の恵に浴するを得んや。静かに思ふべし。汝等が日常の生活に於て時々刻々変化し行く有様は如何なる理由によるなるか。是を逆上って考究すれば其原因は衣食住より来る智慧の競争、智慧の衝突より来りしと考ふるも敢て無理にはあらざるべし。人智の進むに従ひて社会の生活に変化を生ずるは当然なり。わらじより駕籠、人力車機関車飛行機と速度は加はるにつれて、人間肉体は虚弱となる。一方進めば一方は衰退す。肉体虚弱となれる程度に応じて智慧は進む。然りとせば人間界は刻一刻肉体を離れて霊的に発達し行く現象示めしつつある事を見のがすを得ざるならん。所謂人間は肉体動物に比して優れたるなり。然るを汝等は肉体に執着して霊的に遠ざかりつつあるによって、動物性より離脱するを得ざるなり。
 此門に於て見る如く凡ては物体にあらずして、光明なることに思ひを致さば如何に霊的の重要なることの理は頷き覚るを得るならん。百四十四気光素悉くはみな物体の変化したる現はれなり。物質成仏の姿なり。汝等の脚下より上昇し来るものは無機物或は有機物の一切にして、是が浄化せられて光明と化す。所謂一切衆生悉皆成仏とは此理を指したるならん。即身成仏と云ふも亦是身是仏と云ふも皆是等に該当すべきならん。百二十の気光素は人間に与へられたるものなれども其備へすら働かさずして終るは多し。まして百四十四なるに於てをや。この百四十四の気光素を得んがために修養修行を必要とするなり。真の人間として神にあげらるる人となるには百二十の気光素を働かせて更に、二十四の気光素を増大せざれば赫々たる光明の世界は現出せざるべし。気光素備はらずば常に心は暗し。暗き所には悪魔は宿り尚一層心を暗くしてつもるは唯塵埃のみ。この塵埃のつもれるをも見る能はざる底の暗黒となるによって心の病苦は日に増して重くなり、修養の薬石も今は利目なき廃物となり服せば却て毒となるの止むなきに至らん。

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