言い続けた「ありがとう」が臨界点を超える時  小林正観さんの話 その一

「ありがとう」という言葉は、ものすごく力を持っているので、なるべく多く言つたほうがいい。でも、その時に別に心がこもってなくてもいいらしい。
普通よく聞く話は、すべてのことに心から感謝して「ありがとう」を唱えなさい、というものです。しかし、私の話はそうではなく、かたちだけでいいから「ありがとう」を唱えましょうということなのです。
 ただ、「ありがとう」を言い続けて臨界点を超えると心から感謝の念が沸き上がってくるようになるのです。「ありがとう」を、ただひたすら三日間、心を込めないで言い続けた人から、このような話を聞きました。
 「ありがとう」を言い続けて、一日目と二日目は何事もなかったそうです。ところが、三日目の朝、夫を送り出して、食器を片付けて、掃除をしながら、「ありがとう」を言っていたら、突然にお腹の底からものすごく熱いものが湧いてきた。
 それでもしかして吐くのかなと思って、洗面所で待ち構えました。悪いものを食べたわけではないのに、おかしいと思っていたら、ものすごく熱いものがダーッと上がってきて、そのまま口を通り過ぎたそうです。
 そして、そのまま上がって行って、眼から滝のようにドワ-ッと涙が流れ始めた。人間から、これほど涙が出てくるものかと思ったほど、すごい涙だったそうです。それから、一時間ほど、ひたすら泣いていました。
 その人が言うには、「小林さんの話の中で、ありがとうは心をこめなくても、言っただけで凄いちからがあるということを聞きました。他の偉い先生は皆、「心から感謝をして、ありがとうを言わないとだめだ」と言われていたので、自分にはできないと思っていた」そうです。
 しかし、複雑骨折した人が病院のベッドで、「ありがとう、ありがとう」といいつづけたら、全治三カ月と言われていたのが、一か月で治ってしまった話。それから脊椎を損傷して三カ月は絶対安静で、もしかすると脊髄が切れてしまって、半身不随になってしまうかもしれないと言われた人が、上を向いて「ありがとう、ありがとう」と言い続けていたら、治ってしまったという話。
 そういう話を聞いて、とにかく心をこめなくとも「ありがとう」を言うといいらしいと感じて、「ありがとう」を言い出した。そして、食べる時と人と話す時以外は、ずっと言い続けていた。三日目にまた数千回言っていたら、突然にそういう風に涙がどっと出た。そして、本当に心の底から「ありがとう」とおもうようになったそうです。

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