宇宙からの訪問者 NO13  小説 宇宙には数多くの人類が生息している

 雄哉君、僕達の宇宙船が故障したというのはこれは嘘だ。本当の目的は君をここに呼び出して、宇宙の真実のありのままの姿を、若い日本人の君に伝えたかったからなんだ。どうか僕の話すことを脳裏に記録し、それを君の口から多くの人々に伝えて欲しいと思っている。
 まず、君達地球人の多くはこの大宇宙に地球人種だけが暮らしていると思っているのが殆どなんだろうな。でも、それは違う。多くの数えきれない程の人類がこの大宇宙に生息している。大宇宙から見ればこの小さな銀河系宇宙にさえ、五百万以上の文明が発達した惑星がある。単に生命体を宿している星だったらそれこそ無限数ある。勿論、置かれた星の環境、人類の智慧の程度によって姿、形は自ずと変わってくる。僕の星の近くに住む人類などはとてもでかい身体になっていて、象のような巨大な動物にまたがっても優に足が地面に届く位の巨人種だ。君がそれらを見たら、恐らくびっくりして、驚嘆の声を漏らすだろうな。中には酸素がない無空気の星でも高度の文明を持つ人種もあるんだからね。それはそれだけ科学が進歩発達している証左でもある訳だ。昔、カール.セーガンという学者が地球外生命体を求めて宇宙空間にメッセージを発したことがあったね。それ以来、幾多の学者達が宇宙からの電波、通信を求めて、その真贋を論議してきたようだ。でもそれは実際無理な話だ。それは地球人が使っている電波では余りに遅鈍すぎて、この大宇宙の中を自由に跳梁し、俯瞰することは出来ないからだ。なぜなら、一匹の蟻がメージャーを背中に担いでこの地球そのものを計測しようするに等しい愚行だからだ。蟻の智慧でこの地球を探検しているのと丁度同じことなんだよ。もっと君達が高速の電波を発明すれば、地球外生命との交信は必ず可能になるだろう。いま現在の科学技術では全く稚戯にも等しく、いまの学者達の宇宙探検の研究は残念ながら徒労に終わるだろうね。
僕達の星では気光素電気というものを使い、君達の星は光気素電気を使用している。あと百年もすれば、新しい電気が開発され、君達の文明も大きく飛躍するに違いない。それによって天変地異である地震災害も制御できるし。更にはロケットや自動車の燃料にも使用されて、台風などの気候の変動などにも対処することが出来る。すれば幾何級的に文明文化は大きく進捗していくだろう。
 僕達は一光年の距離を飛ぶのに、およそ一か月の日数がかかる。でも僕達よりももっと科学力が進んでいる星の人達はその距離をたったの一時間で飛ぶことも出来る力を持っている。そんな星も沢山あるみたいだ。だからその星々の人達からみたら、恥ずかしい話、僕達はまだ未開人そのものなんだ。でも僕達もあと百年か、二百年もしたらその星と同等の科学力を手にすることも出来ると思っているんだ。

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