宇宙からの訪問者 NO12  小説 コロナなどの伝染病について

 一つ云っておくと、今この地球上で猖獗を極めているコロナやエイズ、それに梅毒などの伝染病は僕達の星にはない。例えそのウイルスがいたとしても人間と共存できるような関係になっていて無害だ。昔はこの日本でライ病は伝染すると云って、離れ島に隔離されたことがあったね。しかし今の学説はライ病は伝染病じゃないと又それを打ち消している。
 雄哉君、ライ病は実は伝染病なんだ。普通の伝染病は潜伏期間が短い為に、すぐに露見する。しかしこの業病と云われるライ病は親から子を経て孫の段階に現れる長い潜伏期をもつとても厄介な病気だ。遠い将来、ライ病は伝染もするし、又遺伝もする病気だということでいっか世界で大問題を喚起するに違いない。しかしこの病もやがて根治することも可能だということを伝えておこう。そして今一つ盲腸の事についても君に話しておきたいことがある。盲腸突起を君達の星の医者は直ぐに切ってしまう悪い習癖がある。あの無用に見える盲腸だって、大きな働きをしているんだ。人間の知能の発達に深く関与していて、なくてはならない大切なものなんだ。神様は無駄ものを決して作りはしない。必要があって作られているんだ。それと同様、君達は臍を無視しているみたいだね。臍には臍の大事な働きがある。胎児の頃は母胎と繋ぐ唯一の器官だよね。生まれてしまえば全く無用の存在と思っているようだが、実は母胎を出た後に、肉体と外界を繋ぐ大事な器官でもあるんだ。それと病は口よりも臍を通じて入ることが多い。そして又、臍の筋肉と肝臓の組織は密着に繋がっていることを覚えておいた方がいい。いつの日かこの星の医者達もその道理を知ることになると思うよ。この星の医者は古来から伝わっている東洋の医学を軽視する悪癖がある。実際、盲腸や臍の重要性をずつと昔から説いてきたなのに西洋医学はそれらを等閑視して、その学理を一蹴してしまった。一度学者は虚心坦懐になって古来から迷信と云われるものを根底から研究してみることだ。すると思わぬものが見えてきて,信ずべきものに取って代わって行く場合もあるだろう。僕達の眼からみると、迷信化されているものの中に、多くの正信化すべきものが余りに多くあるからだ。

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