未知日記  第五巻   霊の感応について   テツシン貴尊講義  木の精の話その1 2021.02.07

未知日記   第五巻   霊の感応について    テツシン貴尊講義   2021.02.07   木の精の話その1


 山には山の霊感あり。川にも海にも野にも草にも木にも鳥にも其々特有の霊気ただよう。されば凡ての形の有無に不拘、霊を有し居らざるはなしと云ひて、汝等を惑はし迷信に陥れんとするにあらず。汝等はすべて一切のものに霊あるを感ずるに依て、そのものに対する研究を進めつつあるにあらずや。草には霊あるに依て人の生命を救ふあり。或は奪うもありと信ずるならん。霊の作用なくんば、斯る事あるまじと思ふならん。汝等の国は霊を尊重する風習あるを神はいたく喜び給ふなり。故に汝等その風習に馴れて凡てに感謝の心を捧ぐるは褒むべけれど、其度を超えて草木を神の如く敬いて、願ひことをなして祈り拝むは愚なることなり。唯心より感謝するはそのものの恵は、神の賜物によると思いて神に感謝せば凡ては活かされたるなり。草木にも霊あれどもその霊は動物とは趣を異にするなり。汝等が国の伝説にも、木の霊草の霊の話は少なからず。地球には神話霊話の話は少なからず。地球には神話霊話に斯る伝説は各国にあれど、感謝の心を養ふ霊話は稀なり。是等について少しく語りおくも無益にあらねば語るべし。
或旅人道を迷ひて山中深くわけ入りて進退窮まり、飢餓は刻々身に迫るに、如何にせんかと途方に暮れ居たる時、忽然と現はれし一人の女、彼に向ひて云ふよう。
「汝、食に窮し寒気に窮するは不憫なり。我に従ひて来れよ」とて谷を下りて一軒の茅屋に伴ひ入れて食を給し、さて云ふよう。

「我、織を求めんが為に出で行くなり。然れどもその不在中に一人の老婆来りてこの箱を開けよと汝に迫るとも、決して開らく勿れ。もし開らかば、我、汝に再びまみゆる能はざればなり」と、固く約して立ち去れり。やがて彼女が云ひし如く老婆来りて箱を開らけよと云ひしも肯んぜず、固く約を守りたるに、女帰りて大に喜び、
「我、汝を救ひし報にて汝の為に救はれたり。今は何をか包むべき。我は此麓の森の樹木なり。然るに村人、我を伐らんとす。そは我と共に立てる老樹が我を妬みの所業なり。先刻来りし老婆と云ふは其なり。我、汝人間を救ひし報ひにて神より許されされしこそ嬉しけれ !」とて、かき消す如く失せたりと云ふ道話なり。
 此話は木の霊に事よせて人間の滅後を語りたるものなれば、世間雑話と聞きのがすべからず。是について説明を加ふれば、人間は神の道を修めずして滅すれば、行けども行けども山又山の如く、さまよひ赴き宿るべき所無きに当惑する時、忽然と現はれし女と云へるは、即ち女と云へるは、即ち女は柔和を現はす慈悲の権化なり。慈悲の霊に誘はれて宿るべき所に宿り飢餓をしのぐを得たり。織を求めんとは任務を現はし、老婆は悪魔を現はす。箱とは神の誓を指したるなり。然して女は杜の木、即ち森の霊気なりしものを現はしたる教訓と知るべし。霊感の意味は此処にも現はれある事を推知せよ。

×

非ログインユーザーとして返信する