未知日記  第五巻   感応術について その2  テツシン貴尊講義2021.02.02

未知日記  第五巻   感応論   感応術について その2テツシン貴尊講義  2021.02.02
 


 さる富豪の子なき夫人、親戚なる貧乏人より賢き子供を養子として貰ひ受け、朝夕何くれとなく愛撫し、世間よりも実子ならんと思はれ居たるが、かの富豪の夫人、心に思ふよう、我、腹をいためずとも子は得られたり。世の中の親は余りに動物愛に溺れて真の愛を知らざる故に却て親子の情愛を失するならんと。然るに真の母訪ぬ来りて云ふよう。我児は汝の家に育てられいつくしまれて此上も無き仕合はせなれど、彼の兄弟達の云ふよう、同じ兄弟ならばたとえ貧しくとも同じ親の手に育てられなば、真の幸福にして、又是を育つるは親の道ならずやと云ひ、如何に説き聞かすも肯んぜず、願はくば返へされよと申し入れたり。夫人、心に思ふよう。帰へしやるとも子は肯んぜざらんと諾を与へ、子を渡したるに、何ぞ計らん子は大いに喜びて母に従ひ嬉しげに帰り去りたり。
 汝等是にて感応は極めて深刻なるに深く考慮を要するを知れるなるべし。句にも「子を思ふ親の心は四つ手かご、しばしも休むいきづえはなし」とあるにてはあらざるか。子を産みし経験のなき婦人の愛は表面にして軽く、真実の母の愛は魂魄に通じて深ければ、感応の力は比すべくもあらざるは当然ならん。汝等は信を他より得んとせば子なき婦人の如き信にては通ずるも薄弱にしてかろし。されば真実の親の如き深く重き信を以てむかはずば感応の妙を究むるを得ざるなり。汝等が国の親子関係と他の国の親子関係とは育て方の教育によって感応作用も異なるなり。汝等が国人の教育は精神感応強く、外国は独立心を養はしむるため、趣旨を異にするの相違となるなり。故に汝等の国の子は親よりまさる宝なしと思へばこそ、富貴を捨てて貧困にも喜びて帰り行きしなり。そはともかく感応の法に於ては信を旨とし、偽欺はりを避けなば通ず。斯る事は誰も知りて事実行ひ難きものなり。人に信を得んとならば、己の信を厚くせざれば、決して真の信を得ること難し。己信ずる力を養はずして人を信ぜしむるあたはざるは当然なり。感応術も極妙に達すれば催眠術に勝る効果あるものにて不可思議の働きを見る。その範囲も広くして催眠術の比にあらず。世に迷信の行はるるは感応術より出でたる事きはめて多し。

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