未知日記講話集   こだま会講演日記    第三十八回   坂本通博 筆記

九月十六日


こんな小さな事、こんなささいな事と考ふる勿れ。
大きな事は一心に考へるが、小さい事は放棄する。人間の動物性本能がそれである。これが油断。ものの大小に、広い狭い、高低を考へず物事を大事にする。之が修行に一番大事な事である。即ち物に区別をつけない様にすること。
前に来る寅に気をとられて、後にある小さな蜂を忘れるな。こんな事位と考へない事。
神の世界は自間空間距離を考へない世界。
前の寅は心身の迷ひ、後の蜂は魂。
貪欲の心、煩悩心の二つの河、即ち火の河と水の河の二河の中の白い道(二河白道)法然の言葉。二河に邪魔されて道が進めない。
これくらいの事と思ったら魂に相談すること。
これくらいの事差支えありませんかと。
道を歩くのでも親と一緒に、魂と一緒に歩く。
庚申様  三つのさる (見ざる、聞かざる、言はざる)
人間には欠陥が出来ると何かが補充してくれるものがある。
唖や盲人の如し。
目をつむり手を合せて神を拝むは、一時めくら、つんぼ、おしになりてそれを補充してくれるものを探す方法。
そして何か感応あれば、これは魂がしたもの。
目も耳も口も働かない状態にして出来た欠陥を捕ふために出てきた魂に会ふ法、即座禅。安楽の法門の念仏ならざるべからず。
目耳口の代用してくれるものを探す(これ魂)
心と肉体とはいつも一つ。
とにかく他の事を考へず一直線に霊空に上れ。空の力は偉大。空に帰るにあらざれば、如何に物事を考ふるとも詮なし。
空に帰りて後、諸々の考へをおこすべし。
とにかく考へ方は空に帰る方向にのみむけ居らば、他の事は考へずとも可ならん。自他一体の考へならざれば空とは言ひがたし。

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