覚者慈音1435  未知日記 第九巻  因果論  人身篇一   インショウ、ミキョウ貴尊講義

覚者慈音1435
未知日記 第九巻 因果論       
第一の巻
人身篇一 
         インショウ、ミキョウ貴尊 講述                     2019.9.19

第十六  原因なくんば結果なし


 大凡世人の世界には表裏の関係あるに依て一面に安あれば一面に危ある事は誰もがよく知る処ならん。さればこそここに修養修行の大事を要することは異論の余地なし。現在汝等の世界には争い断えやらず今尚国々の人々はおさおさ怠りなく国防の為に武器を作り居るにてはあらざるか。我、世にありし頃剣を学びしと同様の姿なり。我は剣を捨てたり。剣を帯びて道を歩む間は寸時も油断なく野に山に或は里にありても、我を脅すものあらば一刀両断して危難をまぬがれんと唯其のみ心にかけて日を過したり。世人は此事柄に対して原因と結果を考へ見るべし。我に剣を帯びるは原因にして人を切るは結果にあらざる事を承知しながらも、その剣によって身を守らんと計りしため却て人を切るに至り、もし切らば我も腹を切らざるべからず。よし人を切りて己の命全うすとも剣を帯びる間は又もや同じ経路を辿るならん。然りとせば一代は剣と云ふいまはしき武器ありて却て不安の日を送るの余儀なきに至る。剣を捨てて丸腰となりての後は人に脅かさるる心配もなく、よしや脅かされしとて我生命迄とらるる不安はなく、もし道に我生命を望むものあらば与ふれば其にて事足るとの覚悟ありて世に処するならば是にも何等不安はなかりし。我剣を捨ててはじめて楽しと云ふ心になり得たるも要するに剣と云ふ悪原因を捨てて、精神的安心を得たる故にはじめて剣と云ふ種子を枯死せしめ得たるなり。
 総じて原因によって結果の如何にあるかを知ることを得るは肉体因果をすてて精神因果によらざれば正しき因果の理を明らむる事難しとは云へ精神因果の道理を認識する人は稀なり。世人の世界はすべて肉体因果をモットーとして其にのみ執着なし居るが故に悪因果を克服して善因果に導く事難し。

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