覚者慈音1432  未知日記 第九巻  因果論  人身篇一  空気中から食料を得る方法  インショウ、ミキョウ貴尊講義

覚者慈音1432
未知日記 第九巻 因果論       
第一の巻
人身篇一 
         インショウ、ミキョウ貴尊 講述                     2019.9.19
 第十五  原因ははたして知る事を得るや


 今慈音は此説に対して不分明の言葉にて我等理解するあたはず。よって此言に対して少しく理解し易き説明をあたへよとの要求あれど、此質問に対して我は論旨を改むるの要なしとはねつけたり。何となれば瓜のつるに茄子を実(な)らしめしとて其は不能の事にはあらざるが故なり。瓜と茄子は同種族にして茄子より瓜に、瓜より茄子に変化せしむる事は学理より験して決して至難の事にはあらざる故なり。是を知るによってかく語りしにて不能と見なせし世人の考へは、却て無智の表現にすぎざるを知るによつて斯くは語りし迄なり。不能と云ふ言葉の意味に此譬喩を用いて今後の文化が発達する時、その譬喩は後に笑草となることを知るによつてあらかじめ斯く説明なしたることを諒とすべし。
 文化の発達せざりし時、空気の中より食料となるべき澱粉或は蛋白等のものが採集し得らるると語りなば其をその時代の学者は、一笑に附し居りしならん。文化進むに及びて現在は空気中より澱粉を採集する理を知り居れど、未だ蛋白を摂取するに成功なし居らず。されど今後は必らずや蛋白澱粉その他食料となるべきものを摂取する法は発見せらるるならん。然りとせば食料は他に求めずとも空気中よりも多くの養分を取り得る時代も遠きにはあらざるべし。斯く人智が進むに従いて世は次第に変化しゆくなり。是は未来のことにて現在にあらず。人智の発達を得せしめんが為に過去の原因を知る必要はあるにて過去を知らずば未来を知る事がたし。学するものには是等の智慧をはたらかす力を養成するにあらざれば世を治め世を育つるの法は生れざるべし。考古学者が過去の有様を研究なし居るも要は未来を知らんとするに他ならず。

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