覚者慈音104    未知日記講義第一二巻  大霊界    巻の弐

未知日記講義第一二巻  大霊界    巻の弐                         NO63                                      未来観 その三                                                                  教主寛大 講述


 大都会の人に対して太陽の出没はと聞けば甍より出でて甍に入ると答へ、山間の人に問へば山より出でて山に入ると云ふ。島の人にきけば海より出でて海に入ると云ひ、大原野の人にきけば草より出でて草に入ると云ふ。総じて是等は偽はりにあらずして事実なり。智識のある人にたづぬれば東より出でて西に入ると云ひ、又地球が廻転なし居るよって朝に出でて夕に入るは、地球の回転なし居る証拠なりと云ひ、何れもみな虚説にはあらざるべし。時間空間距離及び位置を有する未来観は、斯くの如き有様となりてここに種々異なりたる論議が交はさるるなり。
 太陽と共に速度を同ふせば出没の理論は何れもみな成立せざるなり。是等はやや時間空間を聊かはなれたる論説なるによってなり。地球をはなれて太陽にのみ重点ををかば、斯くの如き出没の有無は成立せずして、太陽は唯不滅なりとして推理するの他なからん。汝等諸子は此理をよくよく考究し見よ。然して是等の論説より未来観を考へなば何か得る所はあらざるか。もとより太陽と雖も、亦地球と雖も形ある以上、永久不変とは云ひ難からん。何日かは変じて形を失ひ、力とはたらきを異にするが故に滅したりと思ふのみ。すべて形あるものその形状を異にすれば、従ってそのはたらき其力をも共に異になり行くは、大自然の法則なるべし。されど根底に立ち返りて研究すれば、滅したるにあらずして、すべては不滅なりと云ふ結論に達す。始めなく終はりなき全宇宙は働きと力に依って、組織せられ居ると見るも可ならん。全宇宙の本然に立ち返るは、即ちはたらきと力に化せらるるなりと云ふも、こじつけの論説にはあらざるべし。すべては働きと力なり。是等の事柄を認識して、其れによって現はしたる方法の如何によって、すべてを組織し、或はすべてを変化せしむる事を得るなり。すべて法力は、力とはたらきに依存せずばなりたつものにあらず。拝みと云ふもはたらきと力なり。信仰と云ふも亦然り。是を程よく塩梅する事によって、組織ともなり破壊ともなる。

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