未知日記　第十巻　帰途案内記　　　　　　　
巻の一
大序の巻　
NO ３９
セイキョウ貴尊　講述
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　例へば汝等の肉体と地球との関係を考へ見よ。地球には地脈あり。水脈あり。又すべて諸々の事柄を汝の肉体との関係を考へ見ば、すべては同一原理なることも察するを得るならん。これを広く宇宙に及ぼし、その太陽系宇宙を全宇宙に及ぼして考究せば、その成立は同一の原理より現はされ来り居ることを察するを得ん。故に全宇宙より逆に太陽系宇宙、其より地球に、地球より肉体へと逆に考へて己が身心との関係をはからば、肉体上の未来は察することも得らるるは是即ち尺度の用法を、或は順に或は逆になして応用するに等しと思はば、計算の方法も従って察することを得るならん。
　さればこそテッシン貴尊は全宇宙を肉体より測定することを得るは、即ち全宇宙を縮小して汝の肉体と同様ならしめたるなれば、是を同化すれば可なりと仰せられたるなり。此言葉を我等も用いて汝等に語りたる事も亦屡々なりしなり。前巻を参照し見ば明らかならん。
　又教主が説かれたる光明論のうち五大鏡八大門の姿をそのまま、汝等の肉体に或は精神に引き比べて考察し見よ。然る時は汝等の肉体精神は如何なる原理によりて作られしか。或はその肉体精神が未来如何に変化なし行くかも亦、察する事を得る秘密を教へられたるにてはあらざるか。是によって是を見るに汝等は五大鏡八大門を他事の如く考へて己が身心に及ぼさんとはせず、唯空しく考へ居るは余りに智慧なし。是信仰の度低きが故なり。もし汝等にして信仰の度高ければ汝等は五大鏡、八大門の教訓によって今はすべての苦患を度脱し居る筈なり。仏教者の云ふ成仏なし居る筈なり。然るに未だ悟ることを得ざるは、是信仰の力鈍き故なり。否信仰の低きが故に信の力は潜在して表面化なさず、徒らに倉の裡にて蔵され居るによってなり。早く取り出して光明を輝かさんことを望む。
　所謂肉体には骨格筋肉の具備によって生活なし居るとせば、その肉体より精神に及びて考へ見よ。精神にも骨格筋肉等々の具備ある事も推して察することを得せしめん為に、八大門の見学を示めされたるにてはあらざるか。精神には精神の筋肉、或は種々様々の物の備りあるが故に智慧は変化なし居ることを何故悟らざる。世人は精神と云はば空のものにして唯何もなく、その空虚なるもののはたらきなりと考ふるが故に、真の精神を認識することを得ざるなり。空の精神には空の筋肉空の霊光、すべての備りある事を五大鏡八大門によって何故悟らざる徒らに書を読みて唯脳裡をかすむる底の読法ならば学びて詮なし。