未知日記霊話集 第八百七十九回 光明論 上巻 巻の三  未知日記 第六巻 光明論  神は何故にすべてのもの、動物を造りて地上に棲息せしむるかと云へる一大事ならん。この理を明らかに認識せざれば人は人たる道を知らず。 教主寛大講義

未知日記 第六巻 光明論      
上巻 光明論 巻の三     
          
                  教主寛大 講述
                  
                      第81番


 何時眠りに入りしやも知らぬ身が過去を知ると云ふものあらば、そは虚偽なり。過去の経路をも知らぬ身が未来を如何にして知ることを得んや。しかのみならず現在に於てすら一時間後に来るべき運命さへ知る能はずして、滅後を論議するは閑塞ぎに等しかるべし。汝等が知る平面自然より考察すれば、絶対より相対は現出し、更に複相対複々相対と編目の如く拡大し、更に其が又減小して絶対に帰することより打算して考究を廻らさば如何!
 即ち人を絶対となし、父母を相対に、子孫を複々相対として考察し其が又次第に死滅し行きて、絶対の人に帰すとして考へをなさば結果は人は人より出でて人に帰ると云ふ結論に到達すべし。籾は米を残して籾にかへり、人は子孫を残して人にかへる。是自然の法則なりと云へるは、即ち平面自然或は表面自然にして、立体自然或は内面自然の法則に合はざるなり。
 何となれば自然を造りし神は、何の目的、何の必要にせまられて斯る動物植物を造りしかとの論議の余地を与ふればなり。この論議に対して平面主義者は、不自然なる答弁を与ふるの他なかるべし。汝等地球を逆転なさしむれば自然は征服せられしとか、或は克服せられしと考ふるならん。是は車を後方に押し返へすと同様にて克服とか征服とかせられしにはあらず。汝等は自然を逆用して様々の変化を生ぜしめ居ること多し。車を前方に進めなば安全なるに後方に押し返へしなば過誤を惹き起すならん。地球を逆転せしむるも同様の理なるべし。汝等は自然を逆用し或は濫用しあるに依て、衝突を招きて事変を惹起し争ひの因を蒔きつつあるによって、平和の夢は破られて安堵の眠りをむさぼる能はざるなり。自然を逆用濫用するは、即ち自然より遠ざかるによりてなり。汝等の自然とは一の法則なりと誤解しつつあるによって、適確に把握するを得ざるなり。
 自然は自由自在にして如何なる変化にも応ず。逆用するも濫用するも順用するも応ぜずと云ふことなしは。汝等は世渡りは辛きものとか、或は苦の世界なりとか愚痴をこぼすは、自然を逆用し濫用するにより、自然の徳に従ふを得る能はずして遠ざかる故なり。汝等にして自然を正しく認識して進むならば斯る愚痴をこぼすことあらんや。愚痴は歓喜と変ずべし。自然を逆用せば騒乱となり、順用せば安静となるの理をよくよく胸中に蓄へよ。汝等の癖として慎むべき事は偏し易きことなり。よしと思へば是にのみ傾くは宜しからず。自然に順応せよと云へるに対しても一方に傾くなかれ。即ち自然の順逆両道を調節して或は逆用し或は順用せざれば正しき順応とはなり難し。善悪の行為に対しても同様にして善悪を調和して用いざれば正しき善行とは云ひ難し。されば汝等は薬は毒なりとの理をよくよく翫味して行ずべし。
 立体自然或は内面自然の一助として先づ知りをくべきことに、神は何故にすべてのもの、動物を造りて地上に棲息せしむるかと云へる一大事ならん。この理を明らかに認識せざれば人は人たる道を知らず。空しく生きて空しく死するの他なかるべし。働かんが為に食するか、食せんがために働くかすらその区分を弁へざる汝等にして、又働くとは何の働きをも弁へざる汝等にして到底是を考へざることを我は知る。故に是を教導せん。謹聴せよ。率爾に聞くことを許容ざるなり。

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