第七回 面白い本を見つけた その本の名は「ありがとうの神様」 著者の名前は小林正観さん

トイレ掃除を続けると、鬱状態が改善されるらしい  小林正観


正観さん曰く、
「私は年に2回、精神科の先生の主催で講演をしています。先生によると、「最近は、鬱症状に悩む患者が増えている」そうです。
抗鬱剤を用いれば、ある程度症状を改善することが出来るのですが、心の病を根治させるのは、精神科の先生でも難しいようです。
私の目の前にも、鬱状態の方が「8人」現れたことがあります。幸いなことに、この8人は、ある方法によって全員、治ってしまいました。
その方法とは、「トイレ掃除」をすることです。
どうしてトイレ掃除をすると、鬱状態が改善されるのか、私なりにそのメカニズムを考えてみました。」
この8人は、みなさん、自分のことを嫌っていました。「私なんか、この世に生まれてこなければよかった」「なんで私はここにいるのだろう」と、自分を否定していたのです。
ということは、「自分で自分のことを好きになる」と、治るのではないでしょうか。では、どうしたら自分を好きになれるのでしょう?それには「トイレ掃除」をすればいい。自分で自分を好きになる重要ポイントは、「如何にバカバカしいことがやれるか」に尽きると思います。「バカバカしいこと」とは、「やつても何の得もない(ように見える)こと」です。トイレ掃除は、その典型といえるでしょう。
トイレ掃除をするとき、誰かが覗いていることはありませんから、必ず「自分一人の作業」になります。
すると、「誰かから評価されるためにやっているのではなく、自分がひたすらやつている」わけですから、ピカピカにした作業の結果として、自分のことが好きになるのではないでしょうか。次に使う人が「気持ちよく使える」ので、「喜ばれる存在になるための実践でもあります。
また、手を便器に突っ込んで掃除をすると、自我がなくなるようです。曹洞宗の僧侶から聞いた話なのですが、住職の資格を取るために永平寺で修行をしたとき、「トイレ掃除を一生懸命やりなさい」」と教えられたそうです。トイレ掃除に力を入れる理由は、「自我を捨てるため」です。
トイレ掃除をすると、どうも自我がなくなるらしい。

この話を精神科の先生にお話したところ、先生は、
「トイレ掃除をすると、鬱状態が治るらしいというのは衝撃的な話だったけれど、「自分で自分のことを好きになる」という点では確かにそうだと思います。今日小林さんの話を聞いて、ある方向性が見えてきました」と言いました。
私が「どんな方向性ですか?」と聞くと、先生は、こう答えました。
「診療所の待合室が20畳くらいあるのですけれど、これを全部、小間敷きにして、トイレを20個くらいつくろうかな(笑)」
トイレも自分も、ピカピカに輝きはじめる頃には、臨時収入とともに、「今の自分が好きになる」という幸福感も得られるようです。

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