宇宙からの訪問者 NO21  小説 天界の設計図そして人類の階梯

 全宇宙に住む人類の置かれている階梯を大きく分けると十三段階にわけることが出来る。更にそれを其々上.中.下の三段階に分ける。そしてこの地球は現在十流界の中部に属している、僕達の星の位置は八流界の下部に相当する。ほら君達の星にクロロマニヨンという種族が生息していた時代、ざっと今から数万年前の世界を十一流界、そして北京原人が生きていた頃を十二流界、更に猿人の時代を十三流界と呼ぶことが出来る。だからこの十三流界から今日の十流界に至るまでにはおよそ五百万年の歳月が費やされた。逆にこの世界から九流界に移界するのにざっと二千年から三千年の年月が必要だ。先ほどのクラーアズは一人の力で九流界の世界を八流界の世界へ持ち上げたのだ。ではその八流界からの上の世界はないかと云うと、七、六、五、四、三、二、一流界と云う風に構築されている。この四流界の上の人類はこの宇宙が健全に維持発展できる為に、働かれている。この空気中にあるいろんな原子分子なども、この四流界以上の人類によって今も新たに創造されているわけだ。いわば神の下僕と呼んでいい人達だ。この高い眼もくらむ階梯に置かれている天使のことは残念ながら僕も詳らかには知らない。知っていることは二流界までは男女の両性が置かれていて、子供を産み育てる必要があるということ。しかし、別名絶対界と呼ばれるこの一流界の世界には男女の区別がない。男性でもなく、女性でもない世界が存在しているらしい。その境域は無限大の大きさだそうだ。二流界、三流界までの各流界はそれぞれ無限数この宇宙に存在する。しかし、この一流界はたった一つしかない。丁度、長い時間をかけて螺旋の階段を登るように、ありとあらゆる生物達がゆっくりと進化の道を辿るのだ。それが宇宙の、いや大宇宙、天界の設計図なのだ。こんなこと聖書にも仏典にもどこを探しても載っていないよ。釈迦もイエスさえも生前中は知らなかったということさ。当然、現在の宗教学者達も夢想だにも出来ない世界だよ。だって現在の地球界では釈迦イエスを超える人なんかいるはずもないと頑なに盲信している人ばかりだからね。でもやがて時間の推移することによって、少しずつ僕の言うことを信じる人が出てくるよ。それを君に確言しておこう。
 ある時、僕の星の長老が天使に導かれて、この二流界の葬儀の現場を見せてもらったことがある。僕はその話を直截に長老から聞いたことがある。それはそれは厳粛なものだそうだ。君達の星の葬儀とこの二流界の葬儀の違いを比べてみたらいい。雄哉君、この二流界の世界はまさに神仏のおわす世界、いや、神ならぬ神、優れた人類の住む世界とおもって聞いて欲しい。君達人類が持っている霊が仮に十とするならば、九、八、七、六流界と霊は次第に変化して、第二の霊に迄進化したものが二流界の人類になる。所謂濁りたる霊が次第々々に浄化せられて、澄み切った霊に迄化せられるわけだ。それが二流界の人類なのだ。前にも話した通り、この二流界も上中下部に分かれてこの宇宙には数多く存在している。僕の星の長老が見学を許された二流界の世界は男界と女界とに分かれていて、丁度君達の住んでいる地球と月のような関係にある。その間の隔たったところが一つの空海になっていて、その中に現出なしたる領域がある。それは霊気と霊光が結合して、いわば海にあらずして一種の霊池と呼ばれるものだ。その空間の中に現出した魂が人類と化せられ、やがて男児は男界へ、女児は女界へと移されてゆく。だから子供は女性の胎内から生まれるのではなく、この霊池で育まれるのだ。不思議な世界だね。その空界と呼ばれる世界の両端には、二流界の世界で行をなり遂げた崇高なる老仙とも呼ぶべき人達が守護されていて、この世界には譬え一流界の人達は勿論、他の種族の者ですら一指だに触れることもできないほどに完璧に守られている世界だそうだよ。

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