感応論   第四巻   整へる魂魄 その一   テツシン貴尊講義  2021.01.07

感応論   第四巻   整へる魂魄 その一   テツシン貴尊講義  2021.01.07


 汝等日々の業務をなして夜の一時家内集りて炉辺に談笑の楽きあり。是一日の働労に酬ゆる報酬なるべし。然して一夜の安眠によりて明日の働きを活生し新しくするも誰の恵みと思ふや。汝等は躊躇なく神の恵みと答ふならん。然し我は然りとは云はじ。神は斯る事に恩恵を与ふるにあらずして、是ぞ即ち魂魄の恵なるなり。即ち魂魄の父母の恵みに依て心意は安らかなる睡眠を得て、更に朝の元気を恢復して働きをなす。然るに魂魄整はざる人は夢に驚かされて心意の気力恢復は成り難き人多し。平素明朗なる人は魂魄の整ひ居るを以て、魂の灯火明らかなるに依て、心の輝きは八方に漲る。故に健やかなり。
 例へば一本の蝋燭は僅少の焚火よりも光強し。蝋燭に丁字溜らば輝きは弱はし。常にくもりの丁字を取りて魂の光を明白ならしめずば、心の光明は遠くを照すあたはざるが如し。汝等丁字をとるを忘れざる用心せよ。焚火は分散してにごりあれば光も弱けれど、灯火は集合してくもりなければ光彩を発つ故に明瞭なり。魂に於ても同様の関係あるなり。くもらせてにごれば通ぜず。一心にしてくもらせねば従って明瞭なるべし。整へる魂魄は霊に依て和して集合されて光明を発っなり。心意は魂魄の恵を受け、魂魄は霊の恵にて整ふ。灯火も動揺すれば光を失ふ。人の心にも動揺は禁物なり。されば些細の事に動ぜざる修養せざるべからず。聊かの事にもくよくよせざる魂魄に磨きあげよ。
 或所に街路に立ちて一本の雨傘を手にして、大衆にむかって語り居れる老翁あり。彼が語るを聞けば此雨傘は魔法の傘にて、心正しき者の手に持てば直となり、曲れる者の手に持てば如何にするも直になすを得ず。又神に通じて正しければ、手に持たずとも彼が肩にたちて、風雨を防ぎてぬらす事なし。汝等己の心を知らんと欲する者は来りて試し見よと叫び居りしが、多くの群衆どよめき試さんとするも、一人として是を直になすことあたはざりき。

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