感応論   第四巻   不調の魂魄   テツシン貴尊講義  2021.01.06


感応論   第四巻   不調の魂魄   テツシン貴尊講義  2021.01.06


 汝等想像力をたくましくして勝手気儘に規矩を作る事を止めよ。その規矩は支へなくして、大地に柱をたつるに等しくして倒れ易きものなり。不調の魂魄は恰も自ら規矩を律するる等しければなり。そは神の規矩を無視して用いざるに基因す。神の規矩は人にとりては窮屈なるために却て苦しむこと多し。汝等家を造りて便ならしめんと各所に出入り口を作らば、却て盗難の憂目を見るべし。我、斯く云はば汝等は云ふならん。盗難の憂ひあらんも知れざれど、そは用心せば憂ひなし。さりながら火難には出入りに便ならんと。汝等の心構へは常に是なり。故に誤油断をなして身を破る事多きなり。火災に対して出入口多ければ勿論安全なる事は道理なり。然れどもその安全なるために却て誤を生ずる例は屡々見らる。そは安心より生ずる油断の咎なり。若し出入口少なければその油断なくして却て身を安らかならしむる事あるならん。出入りの口を多くして是にて油断せざる程の修養あらば、真に此上もなき安全なれども、多くの人は却て危険を伴ふは周知の事実なるべし。我の語らんとなすは他にあらず。所謂安心は油断を作る基なりとの教訓なり。或人神の社を造りてその道を如何に造らんと神に伺へば、斯く々々せよ命ありたれば其に応じて作れり。然るに多くの参詣人は是を婉曲なるが故に不便なりとて宮内より直道を作りたり。程経てその道は地震にて陥没したれど、神の命なる道は何の障碍も受けざりしに、人はみな神の教の正しきに感謝せりと云ふ道話あり。
 汝等、家に八方の出入り口を求めて作れど、土蔵には多くの出入口は作らざるべし。土蔵は唯一つの戸張なるべし。然るに結果は如何? 家には各所より炎入りて全焼するも土蔵の残り居る事を我は知れり。神の道は遠曲なりしも残り居るにてはあらずや。我は理屈にて汝等を屈服せしめんとなすにあらず。油断なき規矩と安全なる規矩は、人力人智の及ばざるを知らしめんが為に、自ら規矩を作るなかれと教へたるなり。汝等人類観に便宜なる規矩をつくるは、即ち不調の魂魄心意のあるによって気短我儘の想像をたくましくせるなり。魂魄整ひ居らば斯る想像はあるべきにあらず。

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