感応論  第一巻  平心の巻  宇宙と自然  テツシン貴尊講義

光と気体との関係 其一


 我、先に行法に於て光体と気体についてわづかばかり語りしが、ここに又無辺無限の標題を掲げたる関係上、光、(こう)気の説の継続とも称すべき理論を掲ぐる止むなきに到りたり。されど行法の理論のみにては唯その概要にすぎずして、更に是が延長となるに依って汝等の利する処は、誠に大ならんと我は信ずるなり。ミキョウも亦雑話の中にて十二気十二光の事について述べたる関係もあれば恰もよしと思ふなり。
十二気十二光とは、即ち大別したるにて是を仔細に説明せば無限なれども、先ず数理より区分せば百二十光と百二十気と計算せば、ほぼその大要を理解する事とならん。百二十気百二十光を大別して、十光を一光に簡約し、十気を一気に統括すれば、即ち十二光十二気として大抵は鑑別することも得るなり。然れども百二十気百二十光とを更に延長して、すべて研究せばその数は無限となりて、如何なる事に処しても決して過誤あることなし。
 更に四線の法則に従はば一層すべては明瞭となるなり。光(こう)は熱を誘導する原動力にして、気は霊を誘導する原動力に帰せしむることを得るは、汝等も既に知る処ならん。光は熱を伴ふならば、熱は圧力性に富み、気にして霊を有するならば、霊は引力性に富むと推して可なり。さらば熱の表面は圧力にして、裏面は引力を有し、霊気は是と反対なり。圧力と引力のある以上、ここに初めて運動の生ずるは当然なり。運動あるに依って組織と破壊の生ずるも不思議にあらず。然る故に其結果として万物は現はれ来るなり。故に宇宙の総てを根原にかへせば、光と気に復すと云ふも真の真なるべきなり。
 汝等は無空気状態は運動を静止すと思ふならんも然らず。無空気状態は引力性を有して、其力を静止せざるなり。真空の中にて物を保存し得るも、此作用あるに依て長く保つことを得るなり。若し或種のもの即ち引力性に富みたるものを真空の中に入れる時、其力が同不同によりて生ずる作用は、実に微妙の力と不思議の動作を起すものに依ても、空は静止にあらざる事を知るに至らん。宇宙全宇宙の根幹をなすものは、即ち光(こう)と気体にありと説きても敢て過言にはあらざるなり。
 汝等すべての事柄を究めんとせば、光と気体を基礎として推理せよ。さらば必ずや其妙を修むる事を得べし。汝等は光とは目に依るもののみ聯想し、気と云へば空気を連想するに依って誤解が多くなるのみならず、公案工夫も従って趣きを異にす。故に明白なる事も暗くになりて不分明なること多し。我は云ふべし。耳にも鼻にも口にもみな光(こう)あることを知るべし。此理より推せば魂(こん)には百二十光あり、魄にも百二十気ある事も亦知りて、魂(たましひ)は不滅なることも亦悟るに至りたるならん。

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