未知日記講話集  人魂の原理    教主寛大講義

未知日記講義第一二巻  大霊界    巻の弐                       未来観 その四                                                   教主寛大 講述


 未知日記に於て語りたる如く、霊魂不滅の事柄に対して、諸子は早くその事柄を知りたしとて、セイキョウ。テッシン対して幾度か催促なし居りしに不拘、我は是を斥けて説明する事を許さざりしは、他に意味ありての事にあらず。汝等衆人この所迄学するにあらざれば、語りても理解することあたはざることを知りたるによって、語る事を避けたるのみ。即ち汝等衆人の世界は宗教者によって事実と相違し居る点少なからず。其がために迂闊に語りては却って衆人を迷はすことの多きことを知りたるによってなり。円海の如く宗教より遁世して行じたる者なるに不拘、その宗教が修行を妨げて却って迷ひを深くなしたる実例さへあるなり。まして無智なる汝等衆人に於ては、我等の説を聞きても、小児に語るお伽の如く聞きのがさば一大事も何等効果なし。故にテッシン、セイキョウに対して語る勿れと誡めおきたるなり。されど最早未知日記を読み尽したるものならば、その弊害はなからんと思ひて此事を語る。汝等衆人是を諒とせよ。決して疑ふ勿れ。又是等の事柄を聞ても唯聞きのがして疎略に取り扱ふことを固く誡めをくべし。信ずる者は信ぜよ。疑ふ者は疑ふべしとは決して云はざるなり。即ち信じて疑ふ勿れ。さりながら行ぜんとならば、疑はずして道を求めよ。行ぜんとなさざる者は、別段読むにも及ぶまじ。是は汝等の意志に委せん。我等是より語るところは行ずる者の為にのみ必要なれど、行ぜんとなさざる者には何等の価値もなからん。故に行ぜざるものには強いて語るべからず。又書物となりても見する勿れ。見すれば却って彼の災禍とならん。気まぐれに読むことを許さじ。人生にとりて最も一大事はここにあるが故なり。行ずる者はこの律法を固く守りて聴くべし。
 さて人魂の原理は如何なるものかと云ふに、是は無始終霊子の集りが一定の法則によって、作り上げられたるものにして、謂ゆる人魂の種子と思ふも可ならん。所謂無始終霊子の集りが、一つの人魂の種子となりて作られ居るものなりと思ふもよし。その人魂の種子が動物性人間の肉体に蒔かれて、その動物性肉体によって徐々に発芽して育てられつつあるなり。故に人間が動物性にて終らば、人魂の種子は発芽することを得ずして、無始終霊子の地にこぼれ種子となりてかへり、その種子が又も他の人類に蒔かるると思ふべし。人魂の種子は無始終霊子の作用によって作られたるものなるによって、是は決して滅することもなく、又何等変化することもあらざるなり。汝等衆人の中にも白痴者の如く完全なる肉体の備はりあるに不拘、無神経の者のあるは、人魂の種子が発芽することもなく、謂はば種子にて其まま過し居るにすぎざるなり。同じ白痴者の中にも人魂の種子が些か発芽したるもあるなり。宗教者は是等の道理を唯因縁としてくはしく説明なし居らざるを、我等に云はしむれば、原理の事実を宗教者は知らざるが故なり。白痴者にて人魂の育たざるは、その土地の悪きを知らずして蒔きたる者の誤ちし為なることは云ふ迄もなし。又或場合こぼれ種子が蒔かれたるやもはかられず、多くの中には斯るためしは往々あるなり。是等の道理は追々くはしく語り聞かすべし。

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