覚者慈音1397  未知日記 第九巻   因果論  人身篇一     インショウ、ミキョウ貴尊講述

覚者慈音1397
未知日記 第九巻 因果論       
第一の巻
人身篇一 


         インショウ、ミキョウ貴尊 講述                     2019.9.06
 第ニ   因果と因縁の関係


 原因と結果との間には或一定の経路ありて、その経路の様は原因に依て各々異なる方面に進み行くも推して知ることを得るならん。姿を異にする草木はみなそれぞれ異なる性質を有す。その異なる性質はすべて原因と結果に於ても亦異なる処ならん。此異なるものに対して其々の位置に区分しおかるるを宗教者は因縁と説き居るなり。例へば人間に於て見る時智慧すぐれたるあり。又劣りたるあり。肉体についても強きあり弱はきあり。人間に於てすら千差万別なれど、是を因縁と一言詞するを我等は因縁とは考へざるなり。世人の考ふる人生観は他に一定の標準より考究するが故に、己自らと他人との同じからざる姿より不平不満を生じ来る。然してその不平不満の生ずる原因は即ち或種の異なれるものより、是を尺度として考察するによって生じ来る結果とも見られ、其を他に比してすぐれたるものとたるものとの区別を計るによりて好みの心を起し、或は嘆き或は怒り或は悲しむ等の因果論を喚び起して是を明らむることを得ず、迷ふに依て是に諦めを与へんとして宗教者は因縁なれば是非なしとの教へに依て其迷ひより醒めしめんと計り居る方便の言葉にすぎざるなり。自然の道理より是を考究する時其は訳もなきことにて因縁にもあらず、唯因果の法則によって考ふれば解決は得らるるなり。
例へば人として此世に生を享けたるものみな悉くが同一のものならば世は進化も退歩もなすことあたはざる道理あらん。一国の首相にその国の住民悉くが其とならば世は保たれざるべし。首相を尊しと見なし農夫は賤しく低きと考ふるが故にここに嫉妬の心は生ずるなり。首相は尊く高く農夫は賤しく低しとの区別は何によって定められしか。其は人類生活と云ふ尺度より割り出されたるにすぎず。首相が尊ければ農夫又尊し。首相いやしければ農夫又いやし。唯生活より観察して徒らに尊卑の区別をなすは是誤たる考へなるが故に同じ人類にてありながら斯くも隔りある如く考ふるは人智の至らざる故なるべし。とかく人はその日その日の生活状態より測定して尊卑の区を定むる悪癖を早く捨てざるべからず

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