覚者慈音1104 未知日記 第六巻 光明論  光明論下巻 巻の十 完結篇  教主寛大講義

覚者慈音1104
未知日記 第六巻 光明論       
下巻 光明論 巻の十 
完結篇
                     教主寛大 講義
                    2019.6.27


 汝等が心を脅すものは生死にあらずして不安なるべし。この不安は帰するところ境遇ならん。美はしき詩歌を聞きては情熱を感じ、或は哀愁を覚ゆるは迷ひなるべし。不安なるべし。美しき詩歌は汝の心に突つけたる鋭利なる刃に等し。又甘き密の如くとも見らるべし。さりながら文学によって正しきさとりを得たる人は幾何ぞ。この名文を編出したる文士が大悟し居るならば知らず、然らざればその名文はすべての読者を迷はしむるにすぎざるなり。人の心をかきまわして混乱に陥るる文士は多し。読者は注意せざるべからず。説きても尽きぬ世の中の事柄は、世の中の文化が向上発達につれて次より次へと際限(はてし)なく新らしき話題は尽きざるならん。然るときは迷ひは益々深刻となりて、人道は混乱の度加はるのみ。何日かは正信を得て大悟するは難かるべし。汝等は人智の大木を育てて繁茂なさしめ、恰も深林を見る感を抱かしめ鬱蒼として昼尚暗し。故に悪魔はひそみて悪事を企つ。かく繁りては容易にぬくことは難からん。さりとてこの幹を枯さずば永久の不安は除かれず。ここに大なる決心と思ひ切りたる非常手段を取らざれば救はれざるなり。故に我は汝等をして死したりとの観念を与へたるなり。然して生きたる遺骸となさしめて新しき衣服、即ち神智と云へる木を植えつけんと計りき。新しき衣とは神智の木なり。神智の衣なりと知るべし。換言すれば人智の衣服を捨てて神智の衣を纏はしめんとなしたり。汝等地上に残しおきたる生きたる遺骸、否動ける遺骸にして遺族のものが如何なる取り扱ひをなすとも汝等はその取り扱ひに不平不満を、唱ふる権利は有せざるべし。一日食を与へずとも、是も遺族の心任せ、汝は死したるにてはあらざるか。不平不満の苦情は云はれざるべし。
 生ける屍を遺族に任せたる汝は誰をか頼み、何を目標として今後の生活を営まんと欲するや。唯現在のままにて宙にさ迷はんとなすか。そは苦しき事なるべし。斯くなる上からは神の有無に不拘、頼まんとは欲せざるか。何者か道案内をなすものを求めんとは願はざるか。然らずば奮起して独立独歩足にまかせて無暴の旅を続けんと考ふるか。はた又自暴自棄に陥りて自滅するを手を束ねて待つや。そは汝等の心まかせなれど斯くなりては是非なし。ここに至らば進退を決せざるべからず。人智には限度あるによって迷ふなり。されば限りなき神智を受けて自由自在の居所を求て進み、下界に迷へる汝等の友を導きて迷はしめざるやぅ計るべし。されば我今衣を汝等に与ふべし。来りて纏ふべし。

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