覚者慈音926  未知日記 第六巻 光明論  下巻 光明論 巻の五  家相と暗示の関係 セイキョウ貴尊講義

覚者慈音926
未知日記 第六巻 光明論       
下巻 光明論 巻の六 
教主講、セイキョウ貴尊解説
悟道篇  上
家相と暗示の関係



               セイキョウ貴尊 講述
                2019.4.10                         202番


 汝等此聖者が如何なる解決を与へしと思ふや。聖者は家相を見しに欠点は更になし。此処に於て聖者は家人全部を集め暫時一人々々に眼を配り居たるが、軈て一人の下婢に向って云ふよう。汝は此家に何か不審ありやと。下婢曰く、此家の主人は一本の切りて悪き木を切りて是を此処の閾(しきい)となしたり。然るに其閾の祟りにて主人が負傷なしたるは始めにて、其よりは当家に悪き事の重なるは此閾の木の祟ならんと思ふなりと答へたれば、聖者は主人に向ひて云ふよう、是にてすべては解かれたり、此下婢こそ質朴純真にして汝等が身を思ふ者なるにより、其閾の木を他の木と取り換えよ。然らずば災害は持続せんと。主人、曰く、そは如何なる理なるか。聖者曰く、汝は木を切らせし時其良否を知らざりしか。主人曰く、下婢より聞きて知りたれどさまで心に止めざりき。聖者曰く、然あらん。されば理由を教へん。先づ下婢が初め切る勿れと止めしは凡て汝に送りたる暗示なりしなり。然して切りたる結果は下婢の心は恐怖と不安とに一層念の力勝りて汝の身辺に事なかれとの思ひが、却て反射となりて汝の心中に深く働きて其が完全なる無心の暗示と化したるにより先づ第一に汝が負傷するに至りたり。其後純真なる下婢の念が拡大強化して家内中に蔓延したるにて閾の木の祟りなるにあらざれば、下婢の念は消滅せざれば今後と雖も不祥事は続くべし。下婢の暗示なし居るものは閾を取り去りて下婢が是ならば良との念を生ずる底の事を計るべしと教へたり。主人曰く、されば下婢にいとまを遺はさば如何に?   聖者曰く、そは距離を離すのみにて効果なし。念力は距離を問はず。又暗示は斯る行為にて消滅なすものにあらざればなりと。主人は此理に感じて聖者の教へに従ひたりと云ふ。
 此例話にて汝等は如何に暗示作用の重要なるかを知り得たるならん。例へば一家の中に神経衰弱症の人あらば、家族に蔓延するも此無の暗示作用によると云ふ道理も察せらるるならん。すべて世の中の不思議々々々と云ふ事も深く研究すれば、何か其中に原理のある事に考慮すべきなり。兎に角幽霊の正体みたり枯尾花の比喩の如し。又よく云ふ話に彼の家には妖怪変化出没して家人をなやますに依て三日と住居する者なしなど云へる事の少なからず。是等の根を洗へば訳もなき事多し。されば迷信妄信は訳もなき愚説が針小棒大に流布さるる結果一種の暗示にかかる事多き故なり。妖怪変化の伝説を流布する国には妖怪変化の横行するあり。然らざる国には斯るものなし。是に依て是を見るも永年習慣的暗示が人間特有の空想により錯覚的に組織さるる結果なる事も知らるべし。人間には空想と云ふ一種の作用あり。是あるによって科学の発達をなす利益もあれど、又逆に迷信妄信の種子を育つる悪性も生ず。故にその空想力を引き起さしめ、其空想を基礎として錯覚を起さしめて肉体を或程度迄はたらかしむる力を生ぜしむるは巧妙なる暗示の特性とも云ひ得らるるならん。凡て家相に限らず易学等に於ても此種の事柄に属する事の範囲は極めて広し。彼の人は御幣をかつぐため今日は何々の日なれば旅行は悪しとか称へて一日出行を延期するとか、かの家は家相悪き故見合はせて他の家を求めんなど称して、借り受けたる家は案外家相の悪きを求めて又も迷ふものなり。是即ちさとり無き人に多し。覚れば訳も無き事なるに。呵々。

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