宇宙からの訪問者 NO31  小説    正確な地球の創生年月は如何に・・・・・・

 雄哉君、ここまで僕の話を聞いていて、おかしな宇宙人だなと思わなかったかい。仙人の生活を縷々説明したかと思へば、更には天使の事にまで言及する。でも、君達の世界が今少し進歩すれば、僕の言うこともやがて素直に聞けるようになると思う。
この地球の学者は現在の科学を万能に思っているらしいけど、君達の住む僅か太陽系惑星のことなどどれだけ知っていると思う。この太陽系の中にも君達と同種の人類がいるんだよ。科学の発達度は君達よりも上位にある。そして、まだ発見されていない太陽系惑星もまだ二個もある。まして膨大な銀河系小宇宙、更にはこの無極無辺ともいえる大宇宙のことなど何一つ知りっこないのが現実じゃないか。
 例えば一番身近なこの地球だって君達の使う和暦で云えば、昭和の二十年代には、地球は創生されて十七億年前というのが当時の学者の定説だったのだ。しかし今は四十六億年に変わっているよね。一挙に三十億年も嵩上げしてしまうのだから全く魂消てしまう。今では君の国の小学生迄もが口を揃えて、「地球創造四十六億年」って言っているよね。軈ていつかその説は必ず覆る時がくるから。現代の科学を一筋に信奉している人に君からも教えてあげてほしい。
では、本当の事を君に教えてあげよう。
 この地球は生まれて二十三億七千八百万年余りの時間が経っている。地球の学者の説と僕の説が何故食い違うかというと、それは現在の学者が宇宙の測定方法を、現今の姿より通算するから隔たりが生じてくるのだ。太陽が現出した時の波長と、又地球が現出した時の波長を、今日の波長と同一に考えるからこれだけの誤差が出てくるのだ。地球の学者がそこの所を再計算すれば、僕の言った数値になるはずだ。
雄哉君、これは君が大学に行き研究するに値する面白いテーマの一つだと思うがね。もしこれを大学四年間の内に解明できたなら、君はこの星の大学者になってしまうよ。心からの君の健闘を祈る。僕の話の中で奇異に感じたり、不思議に思うことがあったとしても、まずは僕の話を鵜呑みにして信じてみることだ。君の持っている、色々の既成概念をまずは払拭して、一度、その枠を取り払って、それから君達の地球の学問体系を再構築してみることだな。
さあ、雄哉君、そろそろ夜も明けてくる頃だ。遅くまで君を引き留めて悪かったな。君の家族の人達もさぞかし心配していることだろう。まだ君に伝えておきたいことが沢山あるけど、もう時間がないみたいだ。
最後にひとつ君に僕からの贈り物をあげよう。それは形として残るものではなく、君の心に永劫に残る神様に通じる言葉、真の神語(かむがたり)を教えてあげよう。この言葉を厳戒の辞という。この言葉はたった八文字十五音の短い言葉だけど、その言葉の習熟度の如何によって、その言葉が色々な言葉に分枝、枝分かれして、称える者の心の思いを宇宙の中心におわす神霊に確実に通じさせてゆく不思議な不思議な言葉だ。大事なことはこの有言詞を無言詞の域に高めることが一番重要だ。その方法は・・・

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