未知日記霊話集千四百四十七回 大霊界 無言詞の働きは空に属するか その2 言葉と云へば諸子は耳より伝はるとのみ解釈なし居るが故に、何かに対して耳のみ働かせて他を顧ず。故に無言詞は伝はらざるなり。口より吐き出して耳に伝へしむる言葉はきはめて範囲せまし。されば無言詞を聞かんとならば、身体全部悉くを耳ともなし又眼ともなして見聞するにあらざれば、真実を感ずるものにあらず。我等が教ゆる言葉はすべて肉体全部を耳ともなしまなこともなして聞くべし。然らずば無言詞の如何なるかを伝ふるとも、受け入るることは困難なり  教主寛大講義

未知日記講義第一二巻  大霊界       巻の三                         NO131  
心に伝ふる無言詞と魂に伝ふ無言詞の相違     その2                                                 教主寛大 講述



 大凡汝等の世界の如く大地を有するによって山川草木禽獣虫魚その悉くが、生存なし居ることは諸子もよく知るところなり。故に大地は無言詞をよく感じ居りて、大空と此れ和し大地大空融和によって無言詞を感じ、ためにすべてをあます処なく養育なし居るは是即ち無言詞の力なり。言葉なき言葉とは、言葉に組織せられざるが故に言葉としての解釈はなし難けれどすべてに言葉あらば、其が言葉となりてその意味を知らしむることを得るなりとせば、言葉とは唯意味を知らしむると云ふ結論となるにて些細の働きにすぎず。言葉なき言葉と云ふ広き範囲に渉りて、はたらかすにあらざれば無言詞の力は現はれざるなり。口より出づる言葉は実に不自由なるものにて、言葉を知るものの他は通ぜざるなり。斯る狭き範囲のものに囚はれ居りては、到底天界の真髄に触るる事の難きは当然なるべし。
汝等諸子の肉体は大地に匹敵す。然して心と魂は大空に等し。是等三者が融和結合して諸子は生活なし居るなり。地球の其と何等異なる処なからん。此理より地球のすべてを観望して己が肉体に是を引用して考察するならば、すべては明白に悟ることを得る筈なり。是等は無言詞のはたらきを認識するにあらざれば、確知することは得難し。山川草木すべては語らず。語らずして諸子を導き居るなり。是無言詞のはたらきなり。春来らば春は語り、夏来らば夏は語る。是無言詞なり。風吹かば風は語り、雨降らば雨は語る。すべては無言詞なり。其を知らずして唯空しくすごし居るは、諸子の心に聞く力のあらざるが故なり。心に伝へられて心は感ぜず、故に聞きのがし居るなり。天変地異は魂に伝へ居れど、魂は見聞せんとはなさず、故に感ぜざるなり。諸子は魂に通ぜしめることをなさざるによってなり。所謂宝を押し込めてはたらきをなさしめざるが故に、宝の力が現はれずして、余儀なく潜在なし居るにすぎざるなり。
 すべて人類に限らず草木虫魚に至る迄、悉く見聞する力を有す。されど見聞せんとせざるによってその真相を推知することを得ざるのみ。聞かんとすれば聞こえ、見んとすれば見る。その力はすべてにそなはる。何となれば四六時中分秒も静止することなく、すべてをはたらかせ居るによって、心魂を平静にして耳を傾けまなこを向け居るならば、聞こえずと云ふことなく又見えずと云ふこともあらざるなり。一つの言葉に於ても受け入るる人の智能によっては、異なりたる感じを抱かすることもあらん。例へば天気予報に対してもし降る天気にあらずと聞かさるれば、如何に解釈すれば良きかに迷ふならん。言葉には一つの事柄に於ても感じかたによって相違あることは、即ち表面に現はるる言葉に於てすら無言詞が含まれ居るによって、聞く人の気分に異なりたる影響を与ゆることは諸子は察せられるならん。言葉は大切なるものなれど又一面不自由なるものにて、是等は人間相互に於て作り出されたるものなれば、皆其々の欠陥は免れざるなり。されど自然より作られたる無言詞は、伝へられたるがままに受け入れて、直ちに実行に移すとも決して過誤はあらざるなり。錯覚ををこすと云ふも無言詞より受くる現はれにして、又幻影を見るも同様なり。言葉と云へば諸子は耳より伝はるとのみ解釈なし居るが故に、何かに対して耳のみ働かせて他を顧ず。故に無言詞は伝はらざるなり。口より吐き出して耳に伝へしむる言葉はきはめて範囲せまし。されば無言詞を聞かんとならば、身体全部悉くを耳ともなし又眼ともなして見聞するにあらざれば、真実を感ずるものにあらず。我等が教ゆる言葉はすべて肉体全部を耳ともなしまなこともなして聞くべし。然らずば無言詞の如何なるかを伝ふるとも、受け入るることは困難なり。
眼に心ををけば眼に囚はれ、鼻にをけば鼻に囚はれ、耳にをけば耳に囚はれ、手にをけば手に囚はれ、足にをけば足に囚はれ。前後左右悉く然あるなり。故に心は何処にをくべきか。曰く、平常心是なり。全身悉くを耳とも眼ともなし居らば、すべてに通ず。故に受け入るることを得らるるなり。

×

非ログインユーザーとして返信する