未知日記霊話集千二百四回 光明論 下巻 巻の十 然るに汝等の世界には正しき宗教、優れたる哲学或は精神科学の優秀なるもの少なきは遺憾なり。汝等人類は己自らたてたる学説を固守してゆづらぬ悪習は大いに発達の道を阻害するに依てなれば、学者又は宗教者たるもの深く慎まざるべからず 教主寛大講義


未知日記 第六巻 光明論       
下巻 光明論 巻の十 
完結篇
                     教主寛大 講義
                    

 是を救ふは誰ぞ。学者か智者か。はた宗教者か。学者も智者も宗教者にも心のなやみなしと誰も保証することは難からん。もし世の中の人類すべてが精神に及ぼす苦痛なきに至らば、人類の幸福は此上もなかるべし。
 されば人は此幸福を願ふのあまり修養修行するにてはあらざるか。肉体の安楽を得んがために種々様々の機械器具を工夫組織して却て其機械に囚はれて、安楽ならず却て苦むにてはあらざるか。肉体の安楽のために汽車飛行機を作り、其あるがため命を失し、或は争闘の種子を蒔き親しかるべき人と不和を生じて反目する等、肉体文化の向上発達は却て世を安らかならしむるに至らずして却て人心を混乱に導く結果となる。されば物質文明は進化すればその程度に従ひて混乱し、人心安からぬ世界となり行くは火を賭るよりも明らかならん。汝等の世界に於て或哲学者が手にて水を掬ふを得るによって水呑みの用なしとて捨てたりと云ふを我は知れり。もとより斯る事は真理に合はずと云へども、汝等の修行の参考資料として見るべきものあらん。汝等考慮し見よ。其はともかく物質文明も大切なれど、其にもまして精神文明に重点を置をかざるべからず。
 一日愉快に肉体をはたらかせ、楽しき我家に相語り談笑し一家安らかに其日々々を送る家庭、其が隣家に及び一町一郡一国世界に及ぼすは、即ち肉体より要求する物質の力にあらずして精神感応にあらざれば平和は望まれずとは誰もが是に異論を称ふるものあらんや。然りと知りて是を行ふことの難きは物質に重点ををく結果みな物質に拘泥して精神上を軽視し等閑になすによる。故にこれを反省せしめざるべからず。是を反省せしむるには精神科学の発達を必要とするは云ふ迄もなし。されば哲学又は宗教等もあづかって力あり。然るに汝等の世界には正しき宗教、優れたる哲学或は精神科学の優秀なるもの少なきは遺憾なり。汝等人類は己自らたてたる学説を固守してゆづらぬ悪習は大いに発達の道を阻害するに依てなれば、学者又は宗教者たるもの深く慎まざるべからず。

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