未知日記霊話集千百十九回 光明論 下巻 巻の八 慈音さん、とんだ長話をしてしまひました。あんたもこんな殺生戒、邪淫戒、こんな偸盗戒を起さぬよう気をつけて下されや。 兎にも角にも、ものを活かすと云ふことが大事です。其では約束を果しjましたから円海としてはもう是が最後ですぞ。この次からはインショウ、ミキヨウで合ひませう。さようなら ミキョウ貴尊講義


未知日記 第六巻 光明論       
下巻 光明論 巻の八 
教主講、テッシン貴尊解説
大悟篇  上
第四章 ジョウ の門
行者の修行生活の一端


             ミキョウ貴尊(円海大師) 講述
                  

 其から、「神様何処に居るか」と訊きますと彼は、「ウン、何時もわしを抱いたり、負ったり、手を引いたり、玩具で遊ばせて呉れたり、御飯を食べさせて呉れたり、夜はねかせて呉れたり、眼がさめると神様はわしを抱いて居て呉るから夜でも安心して眠れるのぢゃ。お前達も同じぢゃ。悪戯すると叱られるぞ」と。慈音さん。どうぢゃな。彼のおかげで救はれた者は数知れずありました。今は彼はコーセイ、ミキョウで働いて居ます。
 慈音さん。私の弟子達に残した「大痴大覚」と云ふ書籍の大要の概略はこんな事ぢゃが、是に加へて少し私の添えたい事を話しまう。泰岳さんは殺生を戒めましたが、其で私は邪淫戒と偸盗戒(ちゅうとうかい)を語りませう。
 邪淫とは男女関係とのみ考へて居る人は多いようぢゃが是は大違ひです。邪淫とはよこしまに陥るなと云ふことをみだりがましい色慾にたとえたもので、己が天より授りし使命を果さず、肉体の安楽のみに囚はれて其日々々を空しく遊び暮し、他人の働きの邪魔をするような人は邪淫戒を破る人で、世の中から爪弾きせられるはあたり前ぢゃ。つまり指弾と云ふ罪を受けるのぢゃ。
 慈音さん、日本の政治家や富豪家にはこんな連中は随分とありますな。否学者宗教家も多いから国民も邪淫家が多いのぢゃ。困ったものですな。然し是は宗教家教育家たちの誤解から生れたとも云へませう。
 其から又偸盗戒ぢゃが、是は人のものを盗むばかりが罪ぢゃない。もっと大きな盗みをして居る事に気附かずに居る。金品を盗めば牢舎の苦をうける。戦争で他国の領土を略奪しても其は刑罰にせず、却て賞与うけて居るぢゃありませんか。こんな矛盾した理論は訳が分りません。人間の規則にはこんな間違ひがあります。私の云ふ盗みとは人の心を盗むな。人の良心を奪ふなと云ふことです。
 世の中の人達にはこの盗人が実に多い。善良な人の心を盗んで悪人に堕落せしむると云ふ盗人が多いのは罪とは思ひませんか。人に恵を施すとは金品ばかりぢゃない。飢えたる心に養ひの宝を送る。是は大きな慈悲と云ふものです。慈音さん、そうは思はんかな。こんな盗坊は神様から処罰せらるるは当然です。慈音さん、とんだ長話をしてしまひました。あんたもこんな殺生戒、邪淫戒、こんな偸盗戒を起さぬよう気をつけて下されや。
兎にも角にも、ものを活かすと云ふことが大事です。其では約束を果しjましたから円海としてはもう是が最後ですぞ。この次からはインショウ、ミキヨウで合ひませう。さようなら。
          (昭和二十一年四月二十四~五月二十三日)

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