未知日記霊話集   教主寛大講話    眼を天界に向けよ

未知日記講義第一二巻  大霊界  巻の壱                                                             
眼を天界に向けよ                  
                     教主寛大 講述



 この理を教へんがために、我等は慈音をして事実を以て汝等衆人に示めさんとして、慈音をかかる底にをきあるにすぎず。所謂空実一体の姿を汝等衆人に示めしたるなり。さりながら慈音は哀なるものなり。慈音の苦みや察するにあまりあらん。我等は汝等衆人に虚説を語らず。すべて実なることを語り居ることを知るならば、慈音に対しては感謝の心して是に遇することをせよ。謂はば慈音は天界を知らしむる材料とも手本ともなり居ることを知るならば、汝等衆人是を見て手本となし、速かに天界の方向に足を向けて、迷ふことなく進み来たらば、其によって慈音も満足するならん。慈音に対する報謝は汝等衆人天界にさへ進み来る道を歩み居らば、其にて彼は満足するなり。又彼の苦みはそれによって喜びに化して空しからず、汝等衆人よくよく反省せよ。
 今も慈声と慈音が語り居るを聞けば、地球も十一流界に転落するやも知れざるならんと嘆き居れり。十二流界のもの共が進み来る世界に化せらるれば、十流界の動物は悉く居を失ひて浮住界を賑はすにすぎざらん。彼等の云ふ如く嘆かわしき事ならずや。十流界の汝等衆人の世界を、九流界に、迄進ませるにあらざれば、汝等衆人の使命は全ならず。現在のままにて人間性を失ひ居らば、動物性に化せらるるは火を見るよりも明らかなり。汝等衆人は人生観人生観と盛んに人生観を口にし居れど、正しき人生を知らず、畜生感を鼓吹し居るにすぎざるなり。是等は人間に課せられたる智能を、逆に応用して世の進化を計らんとなすによって、斯くは転落退歩の方向に向かひつつあることに早くめざめずば、慈声慈音の語り居る如き世界に化せらるるは火を見るよりも明らかなるべし。人間性を有するが故に、智能ははたらきて却てその智能が逆用されて、転落の方向に向ふ如きは実に嘆かはしきことならずや。この智能を進化の方向に向けて、動物性を度脱して進み行かば、十流界と雖もやがては九流界に移さるるも是又道理なるべし。
 順法すると逆法するとの相違によって、斯くも相違あることに早くめざめよ。然らずば正しき世界を建設する事は難かるべし。破壊は容易なれど建設は至難なり。従来の日本は魂の世界なりしに不拘、唯物主義に化せられて既に魂をおろそかになしたる結果、破壊の方向に向ひたるたるため今や破壊か建設かの竿頭に立ちて、安からぬ危期に置れあるにてはあらざるか。今は大切なる時節なり。ここにて一歩あやまてば世界の破滅を招く。再び昔の教へを喚び起こして是に従ひ、霊的観念を深くするにあらざれば建設は望むまれざるべし。現在の如く古来の風習の優れたることを知らずして、すべてを封建主義なりとて捨て居らば、益々破滅方向に進むの他なかるべし。
 汝等衆人にして眼を天界にむけてその有様を観望することを得ば、現在の如くあやまちたる方向には向はんとするもの一人としてあらざるならん。浮住界の有様、選魂所の様を見る力を早く授かる底に修養修行せよ。然らずば正しき世を建設することは難し。これを見る力を得んとならば、実在を離れて空間に眼を注ぐ修行は大切なるべし。所謂動物性を離れて人間性に進むにあらざれば目的は達し難し。肉体をはなれて精神的に化せられずば、真の平和は望まれざるなり。肉体を精神的に進ませよと云ふなり。衆人は精神を肉体に進ませ居るによって逆行することの理を、知り得たらば早く覚醒めよ。

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