未知日記霊話集千百九十一回 光明論 下巻 巻の十 有形有機物に重点ををきて無形無機物に重きををかざる故なり。空気の中にすら様々に含まれある無機物の研究をなし居らず、わづか四十五種を発見し居るにてそはすべて有機物にて、無機物は未だ発見しあらざるを我は知るなり 教主寛大講義


未知日記 第六巻 光明論       
下巻 光明論 巻の十 
完結篇
                     教主寛大 講義
                    

 汝等は太陽より地球は分れ、地球より月は又分れたりとの信を有するならん。然れども太陽と地球との間に様々微妙なる関係ある事は無関心なるべし。其は有形有機物に重点ををきて無形無機物に重きををかざる故なり。空気の中にすら様々に含まれある無機物の研究をなし居らず、わづか四十五種を発見し居るにてそはすべて有機物にて、無機物は未だ発見しあらざるを我は知るなり。惑星と恒星に於ての判断すら未だ完全ならず。しかのみならず手近の月に於てすら尚研究の余地多々あるなり。是等に関しては今後インショウ、ミキョウ。セイキョウ。テツシン等が語るところあらん。我は是等に関して語るの要なければ略す。されど我の言はんとするところは他ならず。すべて現実に直面したるところと想像とは大差あることを説明せんがために、斯る例を引用なせしにすぎざるなり。情愛慈悲信仰自由救ひ等々に於ても事実と想像とには大なる相違あるによって、我の教ゆるところと人の想像とには非常なる誤差あるに気づきたれば是より、その顛末を説明して誤解せざらしめんとす。汝等は深く心すべし。
 すべて我の汝等に教ゆるところは無機物の調剤法なりと考ふべし。即ち智慧を授くるは調剤なり。智慧と云ふ無機物の薬石なりと知るべし。
 先ず情(なさけ)と云へる処方より語らん。汝等はよく同情と云ふ言葉を口にす。例へば病める病人に同情せよとか、戦へる愚人に同情せよ。飢えたる者に同情せよ。悲しむ者に情を与へよとか種々様々あれど、さて人は是等に関してすべての満足を得せしむる同情をあたふるを得るや。然らざるべし。そは事実と想像との相違あるによってなり。即ち医者は誤診なしたると同様なれば調剤もあやまちあるに等しきなり。同情によって感化せしむる底の情をほどこすには自らは他と相和する底の思ひ遣りありてこそ、始めて是を化せしむる事を得るは汝等も知るなならん。是には其々の体験なかるべからず。さりとて事実を体験せざるものが唯想像するのみにては真の同情とはならざるなり。然れば如何なる法を以てすべきか。汝等深く思ひをめぐらし見よ。

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