未知日記　第十巻　帰途案内記　　　　　　　
巻の四
最終の巻　
二流界、仮称霊空界
天職と人職について
セイキョウ貴尊　講述　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　即ち是等の類は身心魂を一体化なし居らずして、個々別々の行動をなし居るによってなり。一つの事をなさんとするには斯くも個々別々の行動をなし居りては成就するものにあらず。身心魂一体となりてたとひ如何なる事にもせよ、是にあたりなば成就することは至難にあらざるなり。世人の天職を知らざるは即ち身心魂個々別々の行動をなし居るが故なり。されば心身魂を一体化せしむるにあらざればれば、天理に順ずることも亦難し。天理に従はざることなし居りては、天界の高きを知らざるは是又当然なるべし。斯る人は二流界などの説を聞くとも解する事あたはざるは当然なり。又是等の人は九流界迄も到ることを得ざるなり。身心魂個々別々の行動をとり居りては自然の何なるかをも知らざるべし。我等が世人を導かんとなし居るは是等の事柄を知るによって、身心魂三味一体化なさしめて、然して後正しき方向に向はしめんとことを計り居る事に留意せられたし。世人の日々の修養修行を見るに肉体は肉体、心は心、魂は魂と区分されて勝手気ままの行動をなし居るが故に、ややもすれば多くの障碍を招き居ること少なからずあるなり。我等の教へを解せざるも是みな、個々別々の行動をなし居るによつてなり。是を世人に解し易く説明すれば常に心のみはたらかせ居る時は、肉体と魂は休止して用をなさず。又肉体のみはたらき居る時は、心と魂は他の事を考へて気儘の行動をなし居るため、ややもすれば肉体を傷つくる如き過失をなす。然してたまたま魂の働きある時は、肉体と心は又勝手の方向に向ひ居るため、他人の目前に来り居るをすら知らざる如き事多からん。斯る事はこれみな個々別々のはたらきをなして一体化なし居らざるが故なり。