未知日記霊話集千七百九十八回  帰途案内記 NO214 大凡世人の世界は害するものを倒して、無害のもののみ生存せしめんと計るによって争闘は尽きざるなり。有害無害に不拘すべてに和し、すべてを生存せしむる方向に、事を運びなば却て平和は安からん。平和のために戦ひを戦ひて、互に傷けらるる方向にむけ居るが故に、倒るるもの倒さるるものはてしなく続きて、屍のみ多くなり行くは悲しむべきことならずや セイキョウ貴尊講義

未知日記 第十巻 帰途案内記       
巻の四
最終の巻 
二流界、仮称霊空界
セイキョウ貴尊 講述
                     


 所謂魂は霊にかへり更に霊より又魂に生る。故に魂霊魂の関係となる。されば魂霊魂の関係より考ふる時、一度失はれたる魂となるとの意味より、魂は霊にかへりて死すとの考へを起すならん。されど事実は然らず。魂は霊にかへりたるは所謂我家に入りたると同様にして、霊より魂に現はれたるは即ち我家を出でたるなり。所謂魂霊魂の関係は我家に帰りて、再び我家を出でたると同様にて滅したるにもあらず、死したるにもあらざるなり。即ち表門より入りて、裏門より出でたると同様にして、死したるにもあらず、滅したるにもあらざるなり。故に霊魂は不滅なることを悟らざるべからず。例へば現在の学者が黴菌を死滅せしめんとして種々様々工夫なし居るに不拘、其黴菌が死滅せざるに徴しても明らかなる如く、黴菌を全滅せしめんとならばすべてのものを死滅せしめずば、全滅することは難からん。是等は一部分の事にすぎず。例へば結核性の病気を全滅せしめんとして工夫なし居れど、今尚患者は減少せざるのみか、却て多くの患者を続出なし居るにてはあらざるか。是等は原理を知らざるが故に、中途因果の法則より考察して工夫なし居るが故に、未だ完成せざるなり。是を原因根底に迄上って考究したる後ならでは、結核性の撲滅は完成すること難からん。学理を如何に研究すとも結核菌は尽きるものにあらず。この結核菌を逆に応用して研究なす時、如何にその菌が繁殖すとも何等人体に危害を及ぼさざる方法を工夫せば、却て好結果をもたらすならん。
 大凡世人の世界は害するものを倒して、無害のもののみ生存せしめんと計るによって争闘は尽きざるなり。有害無害に不拘すべてに和し、すべてを生存せしむる方向に、事を運びなば却て平和は安からん。平和のために戦ひを戦ひて、互に傷けらるる方向にむけ居るが故に、倒るるもの倒さるるものはてしなく続きて、屍のみ多くなり行くは悲しむべきことならずや。

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