未知日記霊話集千七百九十二回  帰途案内記 NO209 魂の力を高く引き上ぐる事によって、人格は上り行くなり。肉体と心とのみにては素質を改むること難し。さればこそテッシン貴尊の語られし如く人爵は得易く、天爵は得難しと語られしに対して考へを廻らし見よ。人爵は長からず。天爵は尽きるところなしと云ふことに思ひを致さざるべからず セイキョウ貴尊講義

未知日記 第十巻 帰途案内記       
巻の四
最終の巻 
二流界、仮称霊空界
セイキョウ貴尊 講述
                     


 世人よ。我等の説を聞きて修養をなさんとするならば、其心して道を択ぶべし。然らずば我等の説にのみ囚はれて一方的となり、遂には狂人となる如き愚を敢てなす勿れ。されば是等の道理を正しく認識して、修養の道を計るにあらざれば、正しき人格は得られざるなり。宗教を信ずるものは宗教に囚はれて、果は宗教狂となる恐れあるによってなり。宗教狂とならば其は偉人にもあらず、仏にもあらず、一種の狂人と化せられたるによってなり。されば是等の道理を先づ究むるにあらざれば其意味は解し難からん。よって是等の事柄に対してくはしく語りをくべし。心して聞くべし。
 心を一つの事に囚はれ居る時、その心は其物にのみはたらき居るが故に、心と其物とは同化なし居れど心は魂にも順ぜず、又肉体にも囚はれざるが故に、魂は魂、肉体は肉体、心は心と個々別々に我儘の働きをなすに依って、身心魂一体のはたらきをなさず。故に狂人となるなり。先に語りし法のみにては物事は成就せずと語りしはこれなり。身心魂一体となりて働かずば真の正しき成就は、得られざる事に注意せよ。狂人は魂は魂、肉体は肉体と別れて働くが故に、狂人と云はるるなり。所謂法に相当する心の乱れたるが故に、斯く変化なしたるなり。故に狂人に対してよくよく注意し見よ。狂人は魂を働かせ居るが故に、その人格と個性は認識することを得るなり。
 世人は狂人と接する時何か薄気味悪く感ずるならん。其は即ち彼の持つ魂の程度の働きを現はし居るが故なり。所謂魂と肉体をつなぐ心の法力を失ひ居るが故に、魂の個性が現はれ居るにすぎず。されば狂人と雖も魂と肉体とをつなぐ心のはたらきを完全になさしむるならば、狂人と雖も全く治癒されて元の姿に帰ることを得るなり。是を一言にして云ふならば狂人とは法力を失ひたる人なりと思はば可ならん。
 是等を測定する尺度計は、既に前書に於て世人に与へあるものを用いて、測定せば明瞭に計ることを得るなり。故に与へられたる尺度計を正しく用いて、常に己自らの智能を計り居らば、決して狂人とはならざるべし。肉体を有する間肉体は平凡なり。心を肉体にうつす時は平凡にてよし。されど心を魂にうつす時は平凡にては智慧はそなはらざるが故に、魂の拡大強化を計るにあらざれば、偉人とはなりがたからん。魂の力を高く引き上ぐる事によって、人格は上り行くなり。肉体と心とのみにては素質を改むること難し。さればこそテッシン貴尊の語られし如く人爵は得易く、天爵は得難しと語られしに対して考へを廻らし見よ。人爵は長からず。天爵は尽きるところなしと云ふことに思ひを致さざるべからず。

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