未知日記霊話集千六百六十九回  帰途案内記 NO89 九流界の人類は離婚などなすもの一人としてあらざるなり。是等は天の使命に従ひて結ばれ居るにて勝手気儘の夫婦にはあらざるが故なり。故に九流界は一夫一婦のつながりにて、一夫多妻とか一妻一多夫の如き醜態は、露程もあらざることと知るべし セイキョウ貴尊講義

未知日記 第十巻 帰途案内記       
巻の二
転界の巻 
NO 89
セイキョウ貴尊 講述

                    
 九流界と雖も形存在する以上、所謂相対的なるが故に、夫婦の関係はまぬがれざるなり。昼夜の関係なき所と雖も、即ち相対にして絶対にあらず。故に男女の必要に迫られて女は女としての使命に従ひ、男子は男子としての本分に従ひて、正しく生活をなすによって夫婦間の争闘など毫もあらず。男子は女子の分野を犯さず、女子は男子の分野を妨たぐる事をなさず、夫婦一如の愛情を以て、世を渡り居るなり。世人の世界の如く、互ひに己が分度をわきまへずして暮し居るが故に、夫婦の意見衝突して離婚などの醜きことをなすも、是みな分野を知らざるが故なり。又正しき恋愛を知らざるが故なり。九流界の人類は離婚などなすもの一人としてあらざるなり。是等は天の使命に従ひて結ばれ居るにて勝手気儘の夫婦にはあらざるが故なり。故に九流界は一夫一婦のつながりにて、一夫多妻とか一妻一多夫の如き醜態は、露程もあらざることと知るべし。例へば妻は夫を失ひ、夫は妻を失ふともその淋しさに堪えかねて、二度の縁を結ぶ如き愛情にはあらざるなり。妻を失て夫は悲しまず、夫を失ひて妻又悲しまず。然して他界に移されたる者と残存したる者とが、互に霊によってつながれて毫も憂うる所なく、恰も地上の時代と少しも変りたるところあらざるなり。愛情とは斯くの如くこまやかなるものにあらざれば、真の恋愛にはあらざるなり。我この事を語るとも世人には理解すること困難ならん。早くめざめて此位置に迄、智力を増大せんことを祈る。
 又夫婦間に子を生まざるものもあり。又子の多きもあるなり。されど五子以上は生むことをなさず。全く子なき者と雖も子を育つる任務はなすなり。例へば五子を生みたる親は三子は育て、残りの二子は子なき者によって育てらるを律法となし居るなり。斯くして平均して三子づつを養成なすが故に、国土に対して小児の増減等の悩みはなく、完全に生活する事を得るが故に、生活の悩み等の心配は毫もあらざるなり。又性病の如き憂ひなければ、不具者など一人としてあらず。故に智慧は益々加はりて界は益々栄え行くなり。
 九流界のうち面白き伝説のあるところを紹介せん。此界に於てある頃、一人の奇形児を生みたる夫婦あり。彼等夫婦はいたく恥ぢて審判所(さばきしょ)に訴へ出でたり。審判所にては是を天使にたづねしに、天使曰く、「此奇形児は不具者にあらず。汝等の界を栄えしめんがために生れたるものなれば大切に是を養育せよ。然して是にクラアズと名づくべし」。クラアズとは天界語にして是を日本語に訳すれば、優秀なる智慧の塊子とも名づけて可ならん。この奇形児長ずる従ひて、教へざるに何事をも知らざる事なく、政治経済はもとより、農工業或は理科学等々何一つわきまへざるものなく、界の人類をして向上発達の道を開らきたれば、この界はその一人によって既に八流界に迄、達せんとなし居るところすらあるなり。故にこの界の名称を今もクラアズと名づけ居れり。彼の奇形児は後に至って雲を呼び天界へ去りたりと云ふ伝説もあるなり。さればこのクラアズには、彼の教へに従ひて世を栄えしめたる徳をたたへて、今も尚智慧すぐれたるものを見れば、彼はクラアズなりと称へ居るなり。

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