未知日記霊話集千六百六十五回  帰途案内記 NO85 我貴尊に質問す。是は童話として聞き流して可なるか。或は何かの根拠ありとの事かを説明せられたしとの問なり。是天界の一部に属することなれば語り聴かすべし セイキョウ貴尊講義

未知日記 第十巻 帰途案内記       
巻の二
転界の巻 
NO 85
セイキョウ貴尊 講述

                    
 世人は終生同じ処を廻転なし居りては安住の地は得られざるべし。これを平面信仰と云ふなり。平面なるが故に、輪縁を離れず廻転なしつつあるに過ぎざるなり。故に信仰は立体ならざるべからず。早く輪縁を離れて天界に上らんことを願ふべし。よつて注意なしをきたるなり。
 今慈音は我に向かひて質問をなして曰く、愚生八月二十八日午後ラジオ子供の時間にて放送せられたる、幽霊船なる童話を聞きたり。この童話は二人の人航海中難破してボートにて海上を漂流ひつつありしに、はからずも大なる船現はれ、その船に乗り移りたるに、甲板にて数多の死体転がり居て、眼もあてられぬ悲惨なる姿を目撃し一時は驚きたれど、船内をくまなく捜索したるに誰一人の生存者なく、然して数多の食料その他種々の宝物など蔵しありたるに、又々驚嘆なしたり。夜に入りて少しまどろみし頃多くの人集り来りて争闘し、夜のあくる頃には全く影を止めず。甲板に到り見ればもとの如く屍の転がりあるのみなれば、勇気をおこしてこの死体を海中に投ぜんとなしたれど固着してはなれず。わけても船長らしきもの帆柱に釘づけせられ居りて、其すらはなすことを得ず、余儀なく打ち捨てをきたるに、毎夜の如く彼等の幽霊現はれて争闘なし、夜明けては影を没す。斯くして漂流ひ居るうち一つの陸地を見つけ上陸なせしが、其処は印度にてありし。然して聖者に対してこの事を語りしに、菩提樹の下の土を集めて是を死体にふりかけ見よと教へられたれば、その如くなせしに死体は忽ち船をはなれて、海中に飛び入りたり。然して釘づけせられたる船長は、帆柱をはなれて彼等に海賊船なりしことを語り、宝物は汝等に与ふべし。然してこの船は汝等を故郷迄守護せんと云ひて、彼も亦海中に投じたりと云ふ童話なりし。よってこの事に対して我貴尊に質問す。是は童話として聞き流して可なるか。或は何かの根拠ありとの事かを説明せられたしとの問なり。是天界の一部に属することなれば語り聴かすべし。

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