未知日記霊話集千四百三十九回 大霊界 空の研究と実の研究 その12 九流界下部の伝説に於て、一家の中に十代続きて死にかはり生まれかはりたりと云ふ実話が、今も尚語り伝へとなり居るところあり。即ち親は子となり、子は親となり、斯ることを繰り返へしつつ十代の間継続なしたりと云ふが如き話を、汝等衆人は如何に語らるるとも、其を真として信ずること能はざるべし。されど斯ることは九流界の如く人智の進みたる所にては、敢へて是を不思議とするもの一人としてあらざるなり 教主寛大講義

未知日記講義第一二巻  大霊界       巻の三                         NO124      空の研究と実の研究        その12                                                    教主寛大 講述



 大凡頑固なる人と云ふは空に欠点あるか虚に欠点あるかの、相違なるによって生ずる現象なれば、其何れか欠けたる方を拾収して是を程よく調和せば、頑なる心も影を没せん。兎に角一方的の考へは、空か虚の何かが平均なし居らざるが故なり。日々の行為に対して虚頼みなし居る人は、虚心にのみ囚はれて空心の欠くるによって是は一方的となる。故に是等の人は空心を旨として、空に偏り居らば虚心は是に従ふ故に調和なすことを得るなり。我先に空ならざるべからず。虚頼みすることなかれと語りたれば、諸子は今語り居る我の言葉に疑問をさしはさむならん。されど前に語りしことと今語り居るとの意味に於て、相違あることに着目せよ。空の中に空虚あり。虚の中に虚空あるが故に、空に重点ををかば虚は是に従ひ来る。虚に重点をかば空は影となりて従ふの他なきが故に、空の力が陽性とならずして、陰性に化せらるるが故に、力は鈍くなるなり。是等は調和を誤ちたるによって生ずる理由と考へて疑ひを晴らすべし。兎に角空は陽性の働きをなし、虚は陰性の働きをなすゆえに、陽性に対して陰性を従はしむるか、陰性をはたらして陽性を従はしむるかの二種に区分して、更に修養の道を開かば可なり。かく語らば諸子は云ならん。空に虚を従はしむれば、光気素となり、虚に空を従はしむれば、気光素となる関係より考察せば、虚に空を従はしむるにあらざれば、修養の力は進まざるべしとの考へを抱くならん。
 我今この事を慈声に記さしめたる時、慈音はこの言葉に対して実に尤もなりとして諸子と同様の疑心を抱きたり。慈音にして斯くの如し。まして衆人に於てをや。表面の考へは先づかくの如き思ひに充たさる。されば是を一層深きところ迄考察するの力を育成せよ。然る時はこの迷ひは晴らさるべし。今この処にては語る事を避けて諸子の考案資料として暫く委せをかん。明確なる回答を我に与へよ。
 九流界下部の伝説に於て、一家の中に十代続きて死にかはり生まれかはりたりと云ふ実話が、今も尚語り伝へとなり居るところあり。即ち親は子となり、子は親となり、斯ることを繰り返へしつつ十代の間継続なしたりと云ふが如き話を、汝等衆人は如何に語らるるとも、其を真として信ずること能はざるべし。されど斯ることは九流界の如く人智の進みたる所にては、敢へて是を不思議とするもの一人としてあらざるなり。二代三代の移り変りは普通にして、十代も継続すると云ふ如きは稀なるによって、伝説として残り居るにすぎず。汝等衆人に於ても天界の理を研究尽したるものならば、是等の道理は不思議とするものなかるべし。汝等諸子は天界のことを知らざるが故に斯る談話を聞くも、虚説として受け入るるものあらざるならん。然しながら九流界に於てこの十代も続きたる家に対して、周囲の人達は是を遇するに憐憫の心を以て接し居るなり。もし是が汝等諸子の世界ならば芽出度家なりとして尊ぶならん。又是等を羨ましと考ふるならん。汝等の世界と九流界下部とはわづか一段の相違なるに不拘、斯くも表裏の相違あることに着目せざるべからず。昨日迄親として仕へ居たるものが、明日になりて其が我子として愛するに至らば、聊か不審の感なきにしもあらざるべし。されど天界には斯るためしは敢へて不審するものにあらざるなり。汝等諸子の世界に於て双生児或は三つ児など生るれば芽出度と喜べど、一腹五子以上のものを産みたりとせば、宗教者は是を畜生腹なりと称して、忌み嫌ふ傾向あるを我等は知る。是等に関して諸子は如何に感ずるや。空と虚の一体化の参考資料として是も課題となして諸子に課しをくべし。
 日本に於ても一年に十子を儲けたりと云ふ伝説あり。是は事実なり。然るにこの十子は悉く育たずして早く死したりと云ふ。もし人工的に是を育つるならば、或は育ちたるやも計られざるなり。九流界に於ても斯るためしはあるなり。汝等諸子の考へに於て九流界の人達が斯る人に接するにあたって、如何なる取り扱ひをなし居るや。是も汝等諸子の課題になさん。明確なる答へを率直に我に与へよ。
 九流界に於て夫婦となり一子をも儲くることなければ、その夫婦は婚を解きて他に婚を求むるなり。但し是は九流界下部の習慣なりと知るべし。男女の婚するは子を儲けんがために交はるにて、淫欲を恣にせんとて婚するにあらず。故に子なきものは相方別れて他に婚を求むるなり。空と虚の関係は是等の点に於てみな関係あるによって、よくよく考慮して空と虚の相違を発見し、更に空と虚の一大事を認識する迄考案工夫せよ。この問題の回答をうくる迄の間更に項目をかへて次の教へをなさん。

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