未知日記霊話集千四百三十八回 大霊界 空の研究と実の研究 その11 人智進みてすべての道理を知る事を得ば、雨欲しければ雨を降らし、風欲しければ風を起こし、すべて自然の力を応用して是に順じなばなしてならずと云ふことなし。是等は空と虚の一体化を認識するにあらざれば、目的は達し難きことは云ふ迄もなし 教主寛大講義

未知日記講義第一二巻  大霊界       巻の三                         NO123      空の研究と実の研究        その11                                                    教主寛大 講述


 されど人間の智慧優れたる世の中ともなれば、是等を征服することは至難にはあらざるなり。現に九流界は是等を克服して危難を免れ居るなり。我今克服と云う言葉を用いたれど是は自然を曲げたりと云ふにはあらず。自然を応用し自然に順じ居るが故に、案出したる迄にて征服とか克服とかにあらざることは云ふ迄もなし。自然の大意を知るによってその方法を用いたるにすぎざるなり。是を汝等諸子の自然を征服したりとか自然を克服したりとか、己の智慧の手柄に帰せしむるは錯誤なることを戒めおくべし。我今語りし克服してと云ふ言葉は、諸子の言葉の克服とは異なることと承知せよ。
 人智進みてすべての道理を知る事を得ば、雨欲しければ雨を降らし、風欲しければ風を起こし、すべて自然の力を応用して是に順じなばなしてならずと云ふことなし。是等は空と虚の一体化を認識するにあらざれば、目的は達し難きことは云ふ迄もなし。其は別として汝等諸子の身体にとりて日々これ好日の心を養成するには、空と虚の一体化を加減按排なし居らば、肉体は如何に変化すとも心に苦痛を感ぜしむることあらざるなり。肉体にすべてを任し居らば、雨ふらば陰鬱となり風かば腹立ち怒り、平常心を妨ぐる結果となりて安からざる日を送るの他なかるべし。是等の理は一見平凡の如く思はるれど、さて実行に移さんとせば仲々容易のことにあらず。非常なる努力を要するは当然なり。何となれば肉体の備はりある以上己が智慧にて、肉体の変化を自由になすことは至難なるによってなり。肉体と地球とは常に同化力を有し居るによって、気圧の変化が肉体に影響なすことは未知日記に於て語りたる如く、既に諸子は認識なし居るならん。誰かの道歌の如く「雨ふるもよし、風吹くもよし」の生活を営む底に迄進まずば、平常心は得られざるなり。
 心傷くと云ふは即ち空と虚の何れかが欠くるによってなり。例へば原子を爆破して人命を奪ふ如きは、空と虚の一体化を妨ぐる結果、斯る現象を誘発することもよく知るならん。されど自然は是を速かに調和せしむる力あるによって、やがてはもとに復す。もし自然にこの具備無ければ一旦破壊せられたる空と虚が同化力を失ひて、其所にてはすべてを生存せしむること能はざるべし。原子を爆破して人命を奪ひたりとて其は唯一時的の現象にすぎざる事は、すべて自然の力が空と虚の具備あるによって自由なればなり。
 空と虚を一体化せしむる方法を名づけて感じを変ゆると云ふなり。空に偏れば虚は失はれ、虚に変ゆれば空は失はる。故にその感じを空に変ゆるか或は虚に変ゆるかなすによって、加減按排がよく調和せらるるなり。我等常に心のをきかたを変へよと教へ居るは即ち是なり。執着を離れよと云ふことも空虚一体の何れかに欠陥あるによって起こる現象なれば、その欠陥ある事に思ひを致して、是を按排すれば執着の影は消滅して平常心となる。この点によくよく着目して、空と虚の力の如何に大切なるかに思ひを至らば、最早修養修業の道は開らかれたると承知して其方向に向って歩みを進められよ。覚り見れば訳もなき事と思ふ勿れ。早合点なすことは禁物なり。

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