未知日記霊話集千四百三十七回 大霊界 空の研究と実の研究 その10 今後諸子の世界の人類が、悉く空信と進化するにあらざれば、平和の世界は組織せらるるものにあらず。九流界の如く全人類が一心同体の如くなり居るによって、争ひ等の愚を敢へてするもの一としてあらざるなり。九流界の小児に至る迄みなこの空のはたらきに化せられて、世は益々栄えつつ安定より安定へと運ばれあるは羨やましとは思はざるや 教主寛大講義

未知日記講義第一二巻  大霊界       巻の三                         NO122      空の研究と実の研究        その10                                                    教主寛大 講述



 余事は別として虚の行為は如何に尽くすとも通ずるものにあらず。虚の力の鈍きことは察せらるるならん。動物性を離れて人間性に進化したるならば、虚の行為はなさざるべし。陰日向ある虚の行為は動物性なるが故なり。今後諸子の世界の人類が、悉く空信と進化するにあらざれば、平和の世界は組織せらるるものにあらず。九流界の如く全人類が一心同体の如くなり居るによって、争ひ等の愚を敢へてするもの一としてあらざるなり。九流界の小児に至る迄みなこの空のはたらきに化せられて、世は益々栄えつつ安定より安定へと運ばれあるは羨やましとは思はざるや。全世界を統括して我国のみ、王者たらんと謀る如き平和は成功するものにあらず。我国が全世界を併呑せんと企む心は、すべて虚信なるが故なり。されば空信ならざるべからず。空の力はすべてに通ず。愛する力は空ならざるべからず。虚の愛は愛に似て愛にあらず。虚の愛は離ては繋り、繋りては離るる関係あるによって正しからず。空の愛はあます処なければ離れ繋がるの憂なし。故に不変の愛なり。仏教にては是を慈悲の愛と云ふ。慈悲の心より現出したる愛にあらざれば、空とはなり難しとの意味なるべし。故に仏教にては拝みをするに南無大慈大愛悲愍降と称して拝み居るなり。この愛を何によって求め居るや。即ち空より空を追ひ求め居る拝みなるべし。我、前講に於て虚信坦懐と云ふ言葉を変へて、空信坦懐にせよと教へしも是と同一にて、所謂理に二つなきことを諸子もうなづき知るならん。
 兎に角空と虚は不可分関係なるによつて、程よく調和なし居らざれば、全宇宙は不滅とはならざるなり。故に大自然と云ふは虚と空が程良く調和せられたる姿を、大自然の法則と見なして是に依って、すべてを推し計ればあやまつこと少なからん。とにかく空と虚が一体化なし居らずば、すべてを生存せしむること難きによってなり。空ばかりにてはすべての物は死滅す。又虚のみにても同様の関係となる。さればこそ全宇宙は空と虚とを、一体化して程良く調和せられあるなり。故にすべては変化すれど滅するものにあらず。例へば汝等の肉体が呼吸を静止したる時、空気を抜き去りて虚となしてその中に肉体を納め置ば、長き間保存することを得る実例に徴しても明白ならん。又諸子は空気の無き所にては棲息することは難かるべし。空と虚が和合して程良く按排せられあるによって、諸子の生命は保たれ居るなり。地球の程良く廻転なし居るも、空と虚が程よく一体化なし居るが故なり。一定限度を超ゆれば調和を誤つ。我等が諸子に語り居る無言詞の通達するも、空と虚の一体化なし居るによつて通達す。もし是が虚にもあれ、空にもあれ一方的となれば通ずるものにあらず。空を陽電と見なさば虚は陰電の関係と見なして考へを廻らすべし。
 悪天候にて汝等諸子の心は陰鬱となるも、空と虚の同化力の相違よって生ずる現象なり。されば汝等諸子の修養修業に於て、最も大切なることは常に空と虚を一体化せしめて、日々をすぐすにあらざれば、何れか一方に傾きて或は陰鬱となり、或は快感を覚ゆる結果となる。心を平にせよと云ふ事は、空と虚を程よく按排して、一方に偏らざる用心なし居らば心は常に平なり。地球の運行は時によりては種々様々の事柄より、気圧に変化を生じ、或は嵐となり或は晴天となり、或はながあめとなり或は旱魃となることもあらん。されば人間の肉体も是に匹敵したる関係あるによって、肉体より受る精神状態には種々様々の変化を生ず。故に是等を平均せしめて平になすには、空と虚の一体化を計りて按排するにあらざれば、日々是好日の気分とはならざることも推して知らるるならん。心を平にせよと云ふは空と虚を程よく加減するにあらざればなし難し。是を肉体に任せ居りては決して行ひ得るものにあらず。空と虚の力の備はりを有するは人間にして、是を行ひ得る素質を有す。地球上に於ては雨降り嵐を起す事あれど其はすべて万物を育成せんが為の備えにして是等も自然の力なり。

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