未知日記霊話集千二百七回 光明論 下巻 巻の十 慈音よ。汝、我教へに従ひてこの書を認むるとも日本の学者には容易に理解するものなかるべし。されど汝は決して悲観すること勿れ。我には深き考慮したれば、すべてを我の任に委せをきて可なり。欣情にも是を伝へよ。近き日、汝に来る人あらん。その人は学徳兼備なる人物なれば援助を受くるも差支なからん 教主寛大講義


未知日記 第六巻 光明論       
下巻 光明論 巻の十 
完結篇
                     教主寛大 講義
                    

 我、慈音に告ぐ。汝等の兄弟日本人の多くは物事を聞きても軽く受け流して軽視する悪習慣あり。故に大なる発見をなすあたはず。唯眼先にのみ囚はれて他人の話を聞くにあたっても学校の看板によって耳を与へ、無学者の言葉には愚物に何がわかるかと一瞥を呉れて其言葉を用いざる如き振舞をなすは実に遺憾なり。是を知るによって、我は俗言を用いて学者共に反省を促がさんとなし居るなり。故に日本人は欧米の模倣国なりなど冷笑せられて尚迷夢を醒さんとせざるなり。
 慈音よ。汝、我教へに従ひてこの書を認むるとも日本の学者には容易に理解するものなかるべし。されど汝は決して悲観すること勿れ。我には深き考慮したれば、すべてを我の任に委せをきて可なり。欣情にも是を伝へよ。近き日、汝に来る人あらん。その人は学徳兼備なる人物なれば援助を受くるも差支なからん。ここに報じをく。
 我、斯ることを突如語り出づるも他ならず。日本人には他国人といささか思想上異なる点あるによって汝等が我教へを普及なす上に参考となすべきを慮ってなり。元来日本古来の人心と、現今の人心とは変化の度著しく昔の如き慈悲心は現代人には見られざるなり。然して表裏観念はきはめて濃厚にして即ち駆け引きのみ優れたり。例へば味方と見せて本心は敵となり居る如きは平気にて行ふも世間は是を利口者と云へる如きは屡々見受けらる。然して他人に発明させて是によって己漁夫の利益を占めんと計るなど横着きはまる企みを計るなり。斯る事にて正しき信仰は得られざるなり。又大なる発見は得られざるなり。しかのみならず決断力に対しても表裏の観念にて物事を組織するによって足並み揃はざる人心なり。是を善良に導かんとなすには、「我党に来らば金銭財宝の倉を充たさん」と誘ひ見よ。恐らくは群れをなして集ひ来らん。戦ひに敗れしも帰するところの原因は個々別々にして自己さえよければ敗くるも勝つも何れにても差支なしとの観念が潜在し、表面のみ非国民との謗りをまぬがれんための愛国主義を称へ居りしによって、足並み揃はず陸海軍の団結欠けたるもみな是が原因なりし事は我等の知るところなり。
 日本はあまりに物質万能主義の国民なり。アメリカを物質文明物質万能と嘲笑しながら内心は是を羨しく感じ居るなり。是誰の罪か、戦争の罪か、然らざるべし。真の情、真の愛、真の慈悲の欠けたる結果なるは云ふ迄もなし。そは誰の罪ぞ。上に立つ者、下を虐ぐるによってなりと云ふも決して過言にあらず。上位にありて自らは威張り、下を奴隷の如く扱へば自づと反抗心を増すは道理なるべし。近代日本人は是を天下り式なりと排撃して盛んに下より盛り上る民主主義を振りかざしてたつ子這ふ子に至る迄、理由も弁へず一も民衆二も民衆と盛んに民主主義を説き居るは笑止なり。恐らく長雨にこりたるならん。されど旱魃続けば又一雨を要求するならん。水にあけ水に暮るる海辺の人は清水に苦むにてはあらざるか。雨降らずば泉も川も干するに心づかざるか。

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