未知日記霊話集千八百三回  帰途案内記 NO219 瞬間破壊のある以上瞬間組織の方法もなかるべからず。破壊は易く組織は難しと考ふるは、相対理論のあるによってなるべし。されど自然の真髄を極めて絶対論より考察する時は、破壊も組織も同時に行はるる道理あらん。空なるものを以て、実なるものを滅却せしむる事を得るならば、空なるものを以て実なるものを組織することも、行はるるにあらざれば、真の自然とは云ひ難し セイキョウ貴尊講義

未知日記 第十巻 帰途案内記       
巻の四
最終の巻 
二流界、仮称霊空界

瞬間破壊があるならば瞬間組織もある
セイキョウ貴尊 講述                     


 斯く語らば世人は不審するならん。二流界と雖も男界女界の住めるところある以上、時間空間を有するにてはあらざるかと。然り。然あるなり。実在的のものには時間空間のそなはりを有すれども、技術的に至っては斯る必要を認めざるが故なり。時間空間を要する場所に於て、その必要なき程度迄に至らしむる智識と技能の、そなはりを持つ彼等なるによって、世の中は真の自由を与へ居るなり。自然を体得すれば斯くの如き結果に及ぶと知らば可ならん。世人は自然の何なるかを認識せざるによって、斯る説を聞かるるとも理解する事を得ざるなり。仮に一つの例を語りて参考とせん。世人は一軒の家を作るにあたっても木石をあつめて長き間是を建設なし、軈て住まんとなしたる時雷鳴起りて、忽ち是を破壊せしむれば住むこと難からん。雷鳴は何処より来り如何なる技術ありて是をなさしめしかを、学理にては唯斯く斯くの現象なりと説明をなし居れど、其はその雷鳴に対してのみの考へに他ならず。その原因より結果に至る迄自然の姿より是を説明することをなし居らざるなり。
 蟻が塔をつみて長き時間を要したるに不拘、世人は足にて是を踏み砕く事も敢てなすことあらん。破壊の方法に対してはかくも瞬間になすを得るに不拘、組織の点に至っては容易の事にてはなし難し。瞬間に破壊することを得るならば、遂に是を応用して組織も瞬間になさるる道理を考へなば、瞬間破壊のある以上瞬間組織の方法もなかるべからず。破壊は易く組織は難しと考ふるは、相対理論のあるによってなるべし。されど自然の真髄を極めて絶対論より考察する時は、破壊も組織も同時に行はるる道理あらん。空なるものを以て、実なるものを滅却せしむる事を得るならば、空なるものを以て実なるものを組織することも、行はるるにあらざれば、真の自然とは云ひ難し。空より実を産む事は長く、実を空にかへすことは短かしと考ふるも時間ならん。この時間をとりさらば空より実、実より空、共に時間を要せざる以上、同一の関係となるは絶対の道理ならざるべからず。斯く語らば世人は云ふならん。空より実を生み出すは時間空間あるが故にこそ成立す。されど実より空にかへすには時間を有せざるところに帰らしむるが故に是は易しと。尤もなる説なり。されど我の世人に語らんとするところは斯くの如き事にあらず。

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