未知日記霊話集千四百三十一回 大霊界 空の研究と実の研究 その4 何を以て天職天分を定めんとするや。又その天職天分によって目標の重点を如何なる処に、をくべきかを研究するには、如何にすべきかの考へを起さざるべからず。然せざれば天職天分を全うしたりとは云ひ難し。余りに話が広大となりたるため汝等諸子はここに至って、又新しき段階に移されたるなりと思ひて、此後の研究こそ実に大切なる教訓なりと思ひて、聞くの必要に迫られたるなり 教主寛大講義

未知日記講義第一二巻  大霊界    巻の三                          NO116           
空の研究と実の研究   その4                                                      教主寛大 講述


 未知日記前巻に於てすべてを我なり。すべては我がものなりとして、一切平等の念を深くせよと教へしも是なり。天より架せられたる使命を、己が個々に有する天職より考へて、その職分を全うせよと教へしも、みな是等の事柄を悟らしめて迷ひを晴さんとの計画なりしなり。個々に有する天分天職とは、即ち全宇宙の姿は我なり。我なるが故に、我の行くべき処は何処と目標を、定めんとしてその目標を択ぶは、天職天分を全うせよとの意味なりしなり。汝等の世界に於てこそ種々様々の芸術のそなはりあれど、その芸術技術がすでに、九流界に至らば何等の価値もあらざるなり。又その必要はなき世界なるによってなり。例へば汝等は学問して得たる智識が、九流界に来らば最早かかるものの必要あらざるが故に、捨てざるべからず。故にその学問は無用の長物となるの他なし。然らば何を以て天職天分を定めんとするや。又その天職天分によって目標の重点を如何なる処に、をくべきかを研究するには、如何にすべきかの考へを起さざるべからず。然せざれば天職天分を全うしたりとは云ひ難し。余りに話が広大となりたるため汝等諸子はここに至って、又新しき段階に移されたるなりと思ひて、此後の研究こそ実に大切なる教訓なりと思ひて、聞くの必要に迫られたるなり。
 初心の間こそ大工は大工、左官は左官としてその職分によって道を歩めよと教へたれど、是等はみなその職分より延長して、この処に至らしめんがための方便にすぎず。大工左官九流界に来りて何の価値もなし。是等は汝等の世界にのみ必要ある迄なり。是等の道理を先づ汝等の肉体にとりて考へ見よ。嬰児の時は母の乳房を唯一のものとして是によって成長し、やがては食に変り、然して肉体を育てつつあるは、恰も大工左官の必要ありて作られ居ると同様の関係ならん。されど肉体全く整はば最早母の乳房幼児の食は必要なかるべし。斯くものび行く姿にすら、変化あることより、其より其へと智識をのばさば、己の個性の何なるか又己が天分によって行くべき目標は定まる筈なり。此道理をよくよく認識して悟道を得んと計るべし。然することによって天より定められたる自然のそなはりが、己の眼に映じ来らば、自然に順ずる道も開らかれ、すべては我なりの大悟は、得らるること疑ひなし。要はここにあるなり。細々と種々様々の事を知るの必要なからん。汝等の世界の事を彼是脳裏に刻みつけて、却って迷ひを深くする如きは、実に愚なることならずや。例へば我肉体は全宇宙なりとして、我の行くべき処は何処かと考ふる時、手の器用なる人は手、健脚なる人は足、腹力強き人は腹、頭の優れたるものは頭と云ふ如く区分して、至るべき処は定まる関係より考察し見ば、己の有する個性によって、その個性の持つ処を目標として、そのところに至らしむれば迷ふことあらざるべし。天分を知り職分を全うして、己の好むところに歩を進むるこそ、使命を全うしたる人なりと思ひて、更に一層の工夫をなさざるべからず。是を知るには全宇宙の如何なるかを究むるにあらざれば知ること難し。果して是を認識することを得るやとの疑問は生ずるなり。是を肉体にのみまかせて、其によって如何に考ふるとも、確定の信を得ること得難きは当然にして、是をはからんとするには空の力を求めずば得難し。肉体の親は即ち空なり。全宇宙に存在するすべての実在は、空より作られたることは諸子もわきまへ居るならん。
 五大鏡八大門の法則より全宇宙のすべての実在は、構成せられ居る事の理由より、是を肉体に引用して考へ見ば、自ずと理解すること難きにあらざるなり。例へば汝眼を閉ぢ暫時眼に思ひをはせ見よ。その時種々様々の幻影を見ゆるならん。その光が何処より来るや。すべては体内より網膜に感じ居る力ならずや。光線は外より入らずとも内部より放射し居ることのあるため、網膜に映写して光を放つ。是は医学上より種々様々の論説は示めされ居れど、帰するところはは細胞組織の結合が、空の作用により受くる結果に他ならず。汝等が世界にも蜃気楼とか、或は極光とか云ふ現象は、即ち汝等の肉体にも其備はりあるによってなり。是等の事柄は未知日記に於て語りたれば此篇には省略す。

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