覚者慈音541 三世と四世論  変化の妙味  セイキョウ貴尊講義

               三世と四世論
           未知日記第八巻
           第三の巻
           未来の巻        其の93
  第七       変化の妙味       その2
                       NO3                         
             リョウジャ.セイキョウ貴尊講述


 大凡無神論者の説ははじめより神を否定し居るが故に神なしと考へ、又他人にも斯く語るは其は罪にもあらず。又悪の行為にもあらざるべし。されど近来の如く科学万能の世の中に進み来りたる結果神と人とを区分して考うる輩も少なからず。わけても宗教者の中には聊か科学の力を信じて一も迷信二も迷信となる結果、是を神の法則に結びつけんとして却って神と人とを隔離する不所存者(ふしょぞんもの)すら現われ来り、神あるが如く又なきが如く指導するもののあるは遺憾のきわみなり。
 昔より今に至るまで智慧の優劣に不拘神を信ぜしめんがために智慧なきものには小乗的に、智慧あるものには大乗的に布教して神を知らしめんと力めたる結果現在の学理より推考する時、迷信妄信と考へて神をうとんずるに至りたるは時世の進化にして無理ならぬことなれど、是を大乗的より観察する時は決して根拠なきことにあらざること多し。故に進むと思うは退く結果となり、退くと思うことは進む結果となり居ることをよくよく考慮し見ば神の存在は否定することあたはざるべし。神を敬う心は唯自然の現われにして信仰の有無に不拘何かは知らず潜在しあるものを恐るるが故の結果なるべし。又ある学者は云う。宇宙を造り出したるは神と考うるならば、すべて宇宙の本体は神にして神とは力なり。科学に依て諸々のものを発見なすもそは神の力を現わしたるら他ならず。
 例へば一服の薬にて病を治するならばその薬は病に対するはたらきの力なり。この力こそ即ち神なるべし。故に神の力は宇宙全土のすべての力なり。大きくは全宇宙小さくは一個の細胞のはたらきに至るまで是即ち神なり。即ち神の力なり。故に宇宙全土或はすべてのはたらきはみな悉く神なるべし。故に神は力なりと語り居るを我等は聞きたり。無神論者の説に対抗してこの説を聞かば汝等何れを否定し、何れを肯定するや。そは汝等の信仰にまかすべし。兎に角宇宙の変化とはかかるものにして変化の妙味は実にここにあるなり。

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